コアファン
例えば、中学のクラスを思い出してもらいたい。あなたが「価値観近いなぁ」「なんか気が合うなぁ」と親しく思ったのは、ほんの数人ではなかったですか? まぁ人によるとは思うけど、例えば40人クラスで10人いなかったのではないですか? / ボクの感覚では、パレートの法則ではないが、やっぱり20%くらい(40人クラスだと8人)。もっとすごく気が合って親友になる人は、20%の中の20%、つまり、だいたい4%(40人クラスだと2人弱)くらいかと思う。 / 大切にしている価値を支持してくれるファンも、だいたいそんなものだと思う。 前者がファンで20%くらい。後者がコアファンで4%くらい。ファンベース / 佐藤尚之 ・96ページ これはある飲料メーカーにお借りした生データである (数字などを多少加工して載せさせていただく)。誰でも知っている 「有名飲料ブランド」だ。グラフの左側が人数比。 「ファン度」 別に示している。一番上がコアファンに当たる。この本におけるコアファンとは、 「はじめに」 で説明した 「ファン」の上位概念で、 「企業やブランド、商品が大切にしている価値を強く支持する人」だ。 いわゆるロイヤルティ (忠誠) が高い人々である。ロイヤルユーザーとかロイヤルカスタマー、エバンジェリスト (伝道者)などと呼ばれる層でもあるが、忠誠とか伝道とか、ちょっと企業からの上から目線っぽいので、この本ではシンプルに「コアファン」と呼ぶことにする。 で、図からわかるように、この飲料ブランドは、たった8%のコアファンが、 46%の消費量(OBJ売上)を支えているのである。 また、コアファンの下の「ファン」も加えると、なんと、 売上の約90%を支えているのだ。ファンベース / 佐藤尚之 45ページ https://gyazo.com/7aeccb53373c6c2144b0ad0f894f207b
カゴメの代表的な商品、 カゴメトマトジュースでは、 上位2・5%のコアファンが全売上の30~40%を占めているとわかったそうである (巻末 2: 上位 2.5%の客対象のコミュニティ 「 & KAGOME 」 コアファン向けサービスで上得意の離脱阻止)。 驚きませんか? たった2.5%で、 全売上の30~40%である。巻末でリンクした記事を読むと、 1日220円以上、年間にして8万円以上カゴメ商品を購入するコアファン層がカゴメの売上を支えているというのである。ファンベース / 佐藤尚之 ・51ページ 第三章でも触れたが、 コアファンは 「20%のファン」 よりも少ない。 ボクはだいたい、 20%の中のそのまた20%、 つまり全体の4%くらいだと思っている。 第二章で紹介したカゴメの例だと 2.5%。 図9だと3.3%。 飲料の例だとちょっと多くて 8%。そう、とても少ない。 100人いたら、 そのうちの2人から7、8人ほどがコアファンになってくれたら御の字なのである。ファンベース / 佐藤尚之 168ページ つまり、コアファンとは、 お客様というより、 大切にする価値を共有し喜び合う 「仲間」 であり、 もっと言えば「身内」とも言える人なのである。ファンベース / 佐藤尚之 169ページ