ブラム=ストーカー
「滾れ、私の中の赫き赤!」瞬間、私の手に細剣が出現した。色は赤、輝きは黄金。己の血を以て対することが、私が己に課した決闘者の掟。「あなたを倒すわ。......この私の、血と誇りにかけて」
ー"剣匠卿(ソードビート)"春日斬絵、決闘場にて声高らかに
我が血こそ、命の源
自分の血液をコントロールするシンドロームである。血液を弾丸として撃ち出す、武器や防具に変化させるといった能力のほかに、血液の成分を変化させて回復力を倍増させるなども可能だ。その姿は確かに吸血鬼を彷彿とさせる。ブラム=ストーカーを発症したオーヴァードの血液は、体外に排出されてもある程度の距離、ある程度の時間ならば本人の意志通りに動くことが確認されている。成分の変化、遺伝子の変化すら起こすものもあり、他者を癒す効果などはこういった現象から引き起こされると言われている。 なお、ご存じの方も多いとは思うが、このシンドロームは十九世紀に『吸血鬼ドラキュラ』を世に送り出した作家、ブラム=ストーカーから来ている。血を操り、使い魔を呼び出す。まさにこの名前にふさわしいシンドロームである。