オーヴァード
人を超えたものとは何か。彼らは文字通りの超人である。通常ならば死に至るほどの負傷から一瞬で回復し、常人をはるかに超えた運動能力や知覚能力を発揮する。さらには、皮膚を金属のように硬化させたり、炎や光を操ったりと、まさしく超能力といった力を持っている。通常の人類が、オーヴァードに対抗することは不可能であるといっていい。そんなオーヴァードの能力の源が、レネゲイドウィルスと呼ばれるものだ。
オーヴァードの能力
オーヴァードは、レネゲイドに侵蝕されたことにより、人間を超えた能力を発揮する。能力を分類、整理したものが、シンドロームとエフェクトである。
シンドローム
シンドロームとは、オーヴァードが発現した異能力を、特性ごとに分類したものである。現在では、温度変化を司るサラマンダー・シンドローム、体内で化学物質を生成するソラリス・シンドロームなど、十二種類に分類されている。
ブリード
ひとりのオーヴァードは多くの場合、二種類のシンドロームを持つ。これを、クロスブリード(混血種)と呼ぶ。中には、一種類のシンドロームだけを発現し、特化した能力を持つ者もいる。そういったオーヴァードをピュアブリード(純血種)と呼ぶ
トライブリード
最近になって、三種類のシンドロームを持つオーヴァード、トライブリード(三種混合種)が発生するようになった。これには新たにオーヴァードとなった者以外にも、従来クロスブリードだった者が新たなシンドロームに目覚めた例も含まれている。
エフェクト
エフェクトとは、オーヴァードの持つ超人的な能力を、具体的に分類したものである。正確にいえば、個々のオーヴァードが行使するエフェクトを、大きく傾向で分類したものがシンドロームであるといえる。
エフェクトは、人間を超えた能力の発現であり、オーヴァードの能力の根幹といえる。しかし、強力なエフェクトほどレネゲイドをより活性化させ、衝動を増大させることがわかっているため、その使用には慎重さが求められる。
レネゲイドコントロール
こういったレネゲイドの能力を操り、あるいは抑制するための技術が、レネゲイドコントロール(RC)である。UGNでは特に、レネゲイドがもたらす衝動を制御するための技術―呼吸法や瞑想、催眠などを研究しており、オーヴァードに訓練を施している。
オーヴァードである、ということ
レネゲイドの力と、それがもたらす衝動をコントロールする訓練を受けたオーヴァードは、日常の中で生活することができる。しかし、それでも、レネゲイドを完全に飼い慣らすことはできない。レネゲイドは様々なものに反応し、ふたたび衝動をもたらす。強い感情の動き、他のオーヴァードとの接触、エフェクトの使用、あるいは、まったくの不規則で。いつか完全に心を失い、日常に戻ることができなくなる......それが、オーヴァードにとっての最大の恐怖なのだ。