風と共に去りぬ
https://gyazo.com/e6611960b442c73a36b71ca2f669d368
https://gyazo.com/aab1d26c9f4405a0b7d7b2128e257b37
kanasnote.icon『オズの魔法使』と同じ監督だが、公開年度が一緒? あまり監督の権限が大きくなかったぽいので、負担が少なかったのかも(アメリカ文化入門によると) 【撮影】
【美術】
【編集】
【配給】
【上映時間】222min
概要
アメリカでの興行収入第一位
黒人差別を賛美しているとしてHBOのオンデマンドから削除された
kanasnote.iconとはいえ、作成された時代では倫理的問題にはなっていなかったので、注釈をつけて公開するのがよいと思うが・・・
召使役の黒人女優が助演女優賞を取ったが、人種分離政策によって会場に来られなかったという問題あり
アンパンマンに影響?
kana.icon え、これ詳しく。なぜ書いてない!?
南北戦争
アメリカ史上最大の死者を出した戦争
南部が戦場だったので映画のような荒廃した地になって人々はその後も苦しんだ
奴隷解放というより、南北の文化の違い、経済格差が要因だったとも
南部は綿花栽培を中心とした大農場経営
南部連合旗
南部アイデンティティの強い州ではいまだに似たデザインが扱われている
通信業界、運輸が盛ん
デルタ航空、コカ・コーラ、CNN...
「不死鳥の街」
関連:
ピカレスク・ロマンとしての『風と共に去りぬ』
映画の印象から白人至上主義的な作家だととらえられがちだが、実際には批評的である
主要登場人物4人はみな、戦争には反対
バトラーはKKKには所属していないし、スカーレットも活動に反対 南部田舎は”裕福な白人”という同質性に根ざした社会
主要人物4人もそれぞれ”似た者同士”
しかし、そこで唯一まったく接点のないアシュリーとスカーレット(スカーレットは彼が好き)
そこでのアウトロー・レットバトラーとスカーレットオハラ
レットの人物造形は類型的すぎる?
作者:「彼はプリコラージュ、19世紀の人気小説キャラクターの寄せ集めでできている」
「アニメキャラ的」なバトラー
オハラは美人ではなく性格も悪いがモテる、なぜ?
歯に衣着せぬものいい、生き生きとした生命力
小賢しいが、頭がいい
数学脳で、バリバリ働く起業家
マンスプレイニング的な男がぼやくシーン「女に頭脳があると知って幻滅」
→日本では、自立した女性像として当時の女性にとても人気があった
ポリフォニックなモノローグ
意外と「常識の声」に引き戻されることも多いスカーレット
kanasnote.iconしかし映画では美人女優が演じている…。これはちょっと問題含みというか、むしろうまくよさを表現できない気が。昔は今よりずっと、俳優は神格化されていて美人/イケメンしか俳優になれなかったせい?
実は狂気を秘めたメラニー(作者的にはヒロインである)とスカーレットの関係性
kanasnote.iconアシュリーを介した同性愛?
メラニーは最初からスカーレットに愛情
二人で一人の補完的関係
どちらかがピンチのときにはどちらかが強くなる
名前も、スカーレット(赤)、メラニー(ギリシャ語のメラニア=黒)である
実はけっこういじわる?
スカーレットがうち殺してしまった、元北軍の盗人に対して
メラニー:「こいつから盗んじゃえば?」
旧友や義妹がスカーレットの悪口
メラニー:皮肉で切り返し、「スカーレットを嫌うなら絶交する」
→女性同士の複雑な友情、愛憎?
kanasnote.iconそもそも、いくら奪おうとしていたとしても普通なら好きな男の奥さんとなんて一緒に住まないだろう…
kanasnote.icon時代背景的にも、女同士の恋愛関係としては書きづらかったのでは
メラニーとバトラー
社交界の本流にいる生粋の貴婦人のメラニーとバトラーの友情は、南部の同質社会へのアンチテーゼ?
初対面のメラニーの目の奥の奥を覗き込むという違和感
→”覗き込ん”だのはレットではなくメラニーの奥深さにハッとした作者では?
「土地」に対するこだわり
アメリカ人というのはほとんどすべての人がもとは開拓民
特に、オハラ家はアイルランド系。もともと貧しく、イギリスに搾取されていた人たち
北軍の勝利は確かに素晴らしいものだった、だが、行き過ぎた管理や統制は抑圧も生んでしまう
ミッチェルの文体
ボケツッコミ
一段上から(三人称的に)いつも描くのではなく、スカーレットの心情に寄り添う地の文(だが、あとから冷静にツッコミが入る)
→あくまでスカーレットになり切った芝居であるが、本人の思想だと勘違いされることもあった…
スカーレットのモノローグ内でも一人芝居のように多面性が現れる
リニアに書かれたわけではない(章ごとにばらばらに執筆されている)
もともとKKKは、南北戦争後に元南軍士官らが中心となって結成 ミッチェルは差別主義者であるという批判
鴻巣:「作中に何かを描くということと賛同することは別である」
この描写は、フランクの死をドラマティックにするために後から挿入することを決めた
風刺、パロディとしての存在
シリアスな場面のはずだが、コミカルな描写(キャバクラで飲んでいた、的な嘘。メラニーもそれにのっかる)
”風(時代の流れ)”とともに去ってしまったのはメラニーとバトラー
愛する二人を失ってしまったスカーレットの自立
kanasnote.icon
人気の背景
南北戦争時の(南部衰退期の)鬱屈とした時代背景
古き良き時代を追想する、懐かしむという文脈で人気が爆発
the civilization is gone with the wind...
日本ではスカーレットが新時代の女性像として人気
復興を強く生きる戦後の人々のロールモデル
南北戦争時のアメリカ南部、オハラ家
南部出身なら(結婚相手は)誰でもいいだろう
排他性、プライド、「南部」での結びつきの意識
「土地は裏切らない」という考え
スカーレットの家系はアイリッシュ系(たしかアイリッシュは19世紀に大量に移民してきた)
アイルランド人固有の土地への愛着?
もちろん、アメリカ人だからということでもあるだろう(『アメリカとは何か』でも語られる独立自営農民のアイデンティティ) タラを嫌うなんて、親を嫌うのと同じよ!
後編、「目覚めた」スカーレットが妹に対して言い放つ
土地への愛着が芽生えている
なぜか苗字付きで呼び合う家族たち?むしろ、妻からmr.O'Haraなんて呼ばれていることもある
もちろん(?)2人は仲のいい夫婦なのだが
これは、南部貴族の風習なのか?
奥様に対し、「貧乏人にかまうなんて」という黒人メイド
黒人召使と白人貴族の複雑な関係(ビッグ・サムもそうだが、お嬢様であるスカーレットにかなり慕われている)
自由・平等の精神で建国されたはずのアメリカだが、この時代になると舞踏会や豪華なドレスなど、かなり貴族っぽい生活をしているみたい
南部での「階級」問題
白人であっても、大プランターと小作人に分かれる
黒人奴隷を大量に使っている
お嬢様はお昼寝をするもんです
北部の人はしないわ(そして私もしたくない)とスカーレットは返すが、マミーに「ヤンキー(北部人)は舞踏会もしないしドレスも着ません」と言われてしまう
北部との生活の違いが大きいみたい
このお昼寝シーンの前に、「時間を無駄にするな、人生は時間の積み重ねだ」という標語が出てくるから笑える
毎日欠かさないお祈り
敬虔なプロテスタントとしての南部人(アイルランド人?どちらだろう)のイメージか
南部は今でも「バイブル・ベルト」と呼ばれる地域、敬虔なキリスト教徒が多い
女性問題
出産は大したことじゃないと医師が言う
もちろん傷病兵の処置は大切だが、未来のある赤子より優先されるのか・・・(と言うより、女性が男性より軽視されていると言うべきか)
そもそも、未亡人の扱い方やダンスの相手を競売にかけるなど男尊女卑の意識が強い
スカーレット・オハラ
男を翻弄するスカーレット
実際、「淑女」のイメージとはかけ離れている
100分de名著で話されていたとおり、アシュリーとメラニーは似た者同士だが、スカーレットはアシュリーに「ぼくたちは違いすぎる」と振られてしまう
しかしスカーレットはアシュリーのことが好きでプロポーズまでしているのに、「メラニーを悪く言うな」なんてよくも言えたね。そういう奴って多いけどひどすぎないか?しかも、アシュリーはスカーレットのことを愛してはいるだろうに。無神経だな
それはそうとて、ティピカルな南部白人のアシュリー・メラニーとスカーレットの違いがあらわれているということ
スカーレットと緑色
なんでいつも緑色ばかり?アイルランドと関係があるのかな
やっぱり、スカーレットとメラニーは同性愛関係かも
スカーレットに対するアシュレーの仕打ちは一体なんなんだ?それに対してメラニーは100分で名著でも言っていた通り、恋愛かのようにスカーレットを慕っている。メラニー→アシュレーとメラニー→スカーレットを比べると後者の方がより気にかけていないか?
このスカーレットーアシュレーーメラニーの関係は少女革命ウテナを思い起こさせるものがある 女性ジェンダーに忠実なメラニー・アンシーと、自立した女性である(の、割りに好きな男を一途に追い回していたりもする)スカーレット・ウテナ
欠けたものを補い合う表裏一体の存在(実は1人の女性)でもあり、たがいに惹かれ合う恋人同士のようでもある
「欲望の三角形」としてのスカーレットとメラニー、アシュレー
スカーレットは元々、誰かの恋人である男にしか興味がないようなふしがある
スカーレットはあまり男にケアされない(アシュレーも医師も「メラニーを守ってくれ」とおっしゃるし、昔馴染みも故郷に残してきた「淑女」をスカーレットよりも心配する)
ひどい扱いかと思ったけど、むしろ人間として対等に(=男として)扱われているということでもあるのでは?
バトラーとメラニーの死
しかし男がうんこ、アシュレーはいうまでもないがバトラーもなんだかスカーレットを子供扱いしている・・・。
これは敢えてなのか。バトラーは昔ながらの庇護してくれる男
だとすると、バトラーが消えたことによってスカーレットが真に自立するという件が生きてくる
ではメラニーの死が何を意味するか?「古き良き南部」と「淑女」の時代の終わり?
レッド・バトラー
バトラーまじ意味わからないな、なぜいい感じに描かれているんだ…。「自分の安全が一番だいじ」とか言っていたくせに軍に言ってスカーレットに「わがまま」とかいうのはよくわからん
戦争描写
戦争の描写が酷すぎて、反戦映画として優秀だろう・・・。はっきり言って疲れた
女性問題についてもフォーカスしている(気がする)
(後編メモ)
撃ち殺したの?よくやったわ ーメラニー
え、いままでのメラニーのイメージからは想像できないセリフ
スカーレットは自分のしたことに動揺しているふうなのに・・・
なんだか、前半・後半で全くイメージが変わるところまでアンシーを想起させる
しかも、サーベルまで持ってる
大事にせず、妹たちにも嘘を言うメラニー
袋の中身を調べるのはいけないかしら?
え、ぬすむの
北部人の暴虐
結局、盗みなどを働いている
けがをした南部兵を、馬車にも乗せてやらない
女主人としてのスカーレット
妹との結婚を承認してほしいという人
White trash
スカーレットの使用人の一人(黒人男性)が、日本語訳では表現されていないが確実にこう言っている
その”White trash”は戦争で儲けた(?)か何かで、オハラ家の土地に高い税金をかける
父が死んだら(奴隷を)解放しようと思ってたよ ーアシュリー
ということは、南軍も一枚岩ではない?戦争の焦点が奴隷制の継続/廃止になっていったが、これは絶対的なポイントではなかった?
家族を養うために、かつて敵だった北部人と商売をして、南部人の囚人を労働力に使う
そもそも結婚自体がそのための足がかり
スカーレットにとっては、経済基盤を固めるための手段でしかない
当時の女性にできたことは少ない、ほぼ唯一の手段だった結婚を利用
深読みすると、最初の夫と結婚したのも、メラニーと姉妹になるためかも
夫、アシュリー
誇り>生活・生存
メラニーも反対し、南部人から陰口を言われている
メラニーとおそろいのふく
バトラーとの結婚
なんだか、バトラーと結婚してからスカーレットが退化してしまったみたい
出産
あんなに嫌がっていたコルセットを積極的につける
アシュリーのメラニーに対する態度
メラニーがあんな身体なのに…
これ以上妊娠があったら危険だとわからないのか?アシュリーが一番最悪な人間に思えるけど
だとしたら、スカーレットにとってのアシュリーってなんなんだ?
スカーレットにとってのアシュリー
アシュリーは「古き良き南部」の象徴のような人物
過去の南部への郷愁、憧れ、執着?
「新しい女」のスカーレットの葛藤?
スカーレットとバトラー
バトラーは娘が生まれたとたん、野心的ではなくなる?
「結婚は求めていない」と言っていたにも関わらず旧来の幸せになじんでいる
とはいえ、古臭い人間になったわけではない。母親のような役割をしている
スカーレットは違和感
結婚をするのが当たり前という価値観を内面化していたふしはあるが、実際に結婚出産を経ると自分の居場所がここじゃない感じにとらわれている
ベルワトリング
自立して生活している女
娼婦ではあるが、ひとりの男や家族に頼り切っているわけではない
自分の稼いだ金で、一人息子を学校にやっている
ベルとメラニーの間の信頼と友情
ベルとレットの関係
パトロン的な立場ではあるが、おそらく関係を持っているわけではない
ベル「あなたはスカーレットに惚れぬいているんだわ・腹が立つけど」
この腹が立つ、もおそらくスカーレットが自分を見下すような態度をとることに対する腹いせだが、その後の表情は気になる。バトラーに気があるのかも
振り返ってはいけないわ(、アシュリー)
昔を思い出して進めなくなってしまうもの
アシュリーは、スカーレットの過去をおもう気持ちなのかもしれない
バトラーは、アシュリーを忘れさせようとする
内面化された「古き良き南部」の価値観をすて、自分の人生を生きろということ?
スカーレットは過去の自分と生きるべき自分の間でずっと葛藤している
(メラニーは)お前を愛しているのさ、理解に苦しむが
やっぱりメラニーはスカーレットを信頼しすぎているし好きすぎるよな…。
スカーレットも、メラニーに追い出されたくないという態度(これは体裁のためかもしれないが)
あなたは脅すことしかできない人よ、自分にできないことを嫉妬するの
確かに実際、スカーレットはバトラーのあるべき姿なんだよな
バトラーはきっとスカーレットに強烈に嫉妬している、だから自分の支配下に置いておきたいんだ
みじめで同情できるし、人情味のあるひとだけど、悪魔のような態度をとるのはそのせい
モラハラ野郎っぽいというか…
バトラーに乱暴されたのに、スカーレットはむしろ機嫌がよさそうだった
スカーレットが求めていたものはなんだったんだろう…。バトラーはこれまでもかなり尽くしてきていたと思うが、なにが不満だったんだろう?
そうか、バトラーはスカーレットを愛しているといいつつ、「製材所(スカーレットが才能を発揮できる場所)を閉めろ」なんていうんだ、子どもを産めっていうんだ(スカーレットは別に望んでない)、そういう人なんだ、スカーレットはだから孤独なんだ
しかも、ボニーのことを真面目に止めないし…
意外と娘とも仲がよさそう
スカーレットがアシュリーのことを追いかけ続けていたのは、アシュリーが適当なことを言うからだ(ってスカーレットが言ってた)
やっぱり、アシュリーは都合のいい夢、理想のようなものってことか
ジョージアだっけ?彼女の扱いが酷すぎる
私は幻を愛していたのね
過去(アシュリー)と現在(レット)をすてて、未来に行く
レットは「現実」の象徴?厳しい現実を受け入れられないスカーレット
ボニーは少女時代のスカーレット
そして彼女も死ぬ
レットが去るのが唐突すぎないか…
最後はまた洗脳みたいにタラの素晴らしさを延々言われ続ける(幻聴に)のだけど・・・
オズの魔法使いと一緒じゃないか、ちょっとした冒険があって、やっぱり住み慣れた故郷が一番っていう…
public.icon