美亜羽へ贈る拳銃
いいなーkana.iconもインプラント使いたい...
「自殺」 後のミアハが完全にkana.iconの嫌いなタイプの女になっててウケた。それで全然好きになれない主人公 (まあ好きになれない理由は彼女の性格の問題というより、WKで故意に生み出された恋愛感情を向けられてもサムいだけだ、ってことなんだけど...、でも主人公とは気が合いそう)
同一人物だとどうして言い切れるんですか? 妻のことが愛せくなった夫は、もう別人なんじゃないですか? 実は人間なんて、ちょっとした気分の変化で、つぎつぎ過去の自己を殺しているんだとしたら?
kana.iconそ、そうだよね。そもそもどの程度の変化なら同一人物だと認めるかってのは全然自明じゃないし...
なんならkana.iconなんて数年前と比べたら同一人物要素薄いし、なんなら腹減っただけですごい変わるけど...
メアリー・シェリーと、 インディファレンス・エンジン(The Indifference Engine)。
「聖書」 にあるのは、もちろんハーモニーと、テッド・チャン「顔の美醜について」、ゼマ族とホア族ってなんだろう? ロイエンケファリンは?
あの頃書かれた脳科学フィクションってのは、愛やら正義やら倫理やらを解体することを主眼に置いてた。その目的を達成するためには、語り手は、自身、テクノロジーの恩恵による施術を脳に刻まれて、その目から世界を眺めなければならなかった。分かるか? 主人公が自らの視座で相対化を経験しないとー既存の価値観を決定的に崩すことができないから
...
結局のところ、脳にメスを入れずに得られる視座はたかがしれてるじゃない
正義や、倫理や、愛情や、魂なんていう、インプラントを入れれば一瞬で燃え落ちる幻想、妄執をずっと抱えたままで、答えも出せずに、苦しみつづけてください
kana.iconこれ面白いな。なめらかな世界と、その敵では、ひとつの可能性しか選ぶことができないkana.iconたちの世界での苦しみ、ここでは、インプラントがなくてフィクションの規範に自分自身ふくめて縛られつづける苦しみって感じだ。
WKの普及で恋愛小説は絶滅寸前だ。自分が当たり前に持っている感情を文字に起こされても、わざわざ読む必要がないからね。恋の高揚なんて外部に求めずとも心の中にある感情を味わえばいい。
kana.iconおれ、お前、好き。になったけど、そのあと結局、もとのミアハがそもそも恋愛感情を持っていたということになって、ゲンメツ。 恋愛なんてフィクションじゃんね。少なくともkana.iconにとってはそう。そうじゃない人が現実にいたとするなら...なんだろう、疎外感を感じる。 だからイヤなんだと思う。
美亜羽が恐れたのは、自身の神冴実継への愛が、『シオンへの愛』をリサイクルしたものだということを気づかれ、こちらに嫌悪感を抱かせてしまうことだったのだろう。
へーーーー!!!! これは現実をうまく風刺しているね。この作者、すごく性格が悪い。ほめてるけど
明日の自分は今日の自分とは他人だ。俺は彼女を愛するかもしれないし、愛さないかもしれない。誰かが言ってた、俺の脳はどこまでも自由らしいんだ
おお、ラストもいいね!!「きみは、この物語の結末を知っている。きみがこの物語の、結末なのだから」
こういう解釈で正しいかはわからないけど、実継の自由はまもられた、そう解釈する。
読了 : 2022/11/28
収録 : なめらかな世界と、その敵(早川書房)
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