Fanconi症候群
【病態】
近位尿細管の広汎な機能障害によりさまざまな溶質や電解質の吸収不全と尿中への喪失が起こり、多彩な臨床症状を生じる症候群。近位尿細管では、グルコース、アミノ酸、リン酸、重炭酸が吸収される(グルコースと3つの酸)。
先天性:シスチン症、ガラクトース血症、ミトコンドリア脳症、Lowe症候群、Wilson病、Dent病、特発性
【症状】
脱水、多飲
【検査】
尿所見:
腎性糖尿:尿細管での再吸収障害のため、血糖値は性状
汎アミノ酸尿:シスチンを含む全てのアミノ酸が尿中に出現
高リン酸尿症
尿中HCO3上昇
尿pH上昇
尿細管性蛋白尿:β2MG、NAGが尿中に出現
多尿
血液検査:
高K血症(2次性。近位尿細管のNa再吸収低下に伴い、集合管へ到達するNaが増加することで、代償性に集合管でのNa再吸収が増加してK分泌の亢進が伴うことと、脱水によるRAA系の亢進を介して生じる。) 低尿酸血症
代謝性アシドーシス(AG正常)
【治療】
原疾患の治療
原因物質の除去
対症療法:アシドーシス、水・電解質の補正(水分、P、K、Na)、活性型vit.Dの投与