間質性肺疾患
【病態生理】
両側あるいはびまん性に病変が波及した場合
➀呼吸機能上は拘束性換気障害(VC、FVC)
FVC: Forced Vital Capacity
②ガス交換異常の病態は、拡散障害(DLcoの低下)および換気血流不均等分布を呈する
③進行するとⅠ型呼吸不全となる
【症候】
乾性咳嗽、から咳、進行すると、労作時息切れ、呼吸困難
【身体所見】
ばち指(IPF、肺癌)、チアノーゼ(慢性に低酸素血症を示す例)
肺線維症では、肺の萎縮を反映し、打診上、肺肝境界が上昇
聴診:fine crackles, Velcro rales
原疾患
<呼吸困難の分類>mMRC
0運動 1早足 2遅い 3立ち止まる 4着替え
【検査】
CXR
血液検査
ACE、KL-6、SP-A、SP-B、アレルギー・膠原病の検査
胸部CT、HRCT(小葉単位の病変の描出が可能:crazy-paving appearanceなどがみえるよ!)
胸部CT
区域性に広がる:気管支肺炎(黄色ブドウ球菌、結核、マイコプラズマ)
非区画性に広がる:大葉性肺炎・肺胞性肺炎(肺炎球菌、クレブシエラ、レジオネラ)
多発性非区域性:慢性好酸球性肺炎、特発性器質化肺炎
初期像:すりガラス影(血管影が透けて見える濃度域の増強)
肺ガリウムシンチグラム
呼吸機能検査:拘束性障害
最大呼気流速が低下する一方で,吸気流速が著しく低下している.肺自体が拡大しにくいことが想定される
https://scrapbox.io/files/689eb186712fa6e30b1e385c.png
気管支肺洗浄 BAL
感染性疾患※感染症にBALを行うのは、感染を悪化させたり、院内感染(特に結核)の原因となるので、適応を慎重に判断する。最初に、痰、胸水、血液、胃液などから病原体の検出、採血・検尿による抗原や血清の検査などを試みる
➀確定診断:ニューモシスチス、レジオネラ、肺結核・気管支結核、マイコプラズマ、インフルエンザウイルス、RSウイルス
②診断や管理に有用:サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、一般細菌、非結核性抗酸菌症、真菌症(アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカス)
非感染性疾患
90%がマクロファージで、10%がリンパ球。好中球・好酸球は1%弱
【気管支肺胞洗浄液の細胞分画】
リンパ球が増加
膠原病に伴う間質性肺炎
薬剤性肺障害の一部
好中球が増加(感染症を除く)
薬剤性肺障害の一部
好酸球が増加
急性好酸球性肺炎
慢性好酸球性肺炎
Hypereosinophilic syndrome
薬剤性肺障害の一部
肺の病理組織学的所見
経気管支的肺生検、外科的肺生検(胸腔鏡下VATS肺生検、開胸肺生検)