ダイバーシティ
ダイバーシティについて、文章で語るのはとても難しい。特定の主張をあまりせずに、お勧めのコンテンツを列挙することだけであっても、心理的なハードルが高い。
それはおそらく、この分野には政治的な立場が沢山存在しており、どれを選んでも難癖を付けられるのではないか、とおそれること、また、自分自身にもまだまだ分からないことが多いという自覚があるからだ。
ハードルが高くなるもう一つの理由は、ここ数年のアメリカのエンターテイメントコンテンツのほとんどは「ダイバーシティ」問題と関係していると言って良い状態なので、良いコンテンツの数が多すぎる、少しばかり紹介しても意味が無いという気持ちもある。
とは言っても、紹介してみないと始まらない、と思うので列挙してみた。
まずは、シンプルな入り口から。
ディズニーのアニメから一つ。そもそも、ここ20年くらいにおける、ディズニーの映画作品における多様性へのアプローチは、それだけで話だすと何時間もなるくらいに深いものがあるが割愛。論文や本が、それこそ沢山発表されていると思われる。 https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71NYVIWkvhL._AC_SX679_.jpg
2019年にすごく売れた本。子育て中の人は多様性と子供の成長、という二重の意味で楽しめる。エッセイであるので読みやすい。
https://gyazo.com/3c7cecbc5c43036ebf1509cddf5597fd
以下の動画は、構造的な格差を分かりやすく伝えていると思う。多様性&インクルージョンへの取り組みの第一歩は「見える化」にあるのだというヒントをくれる。
外国ではなく、日本はどうなんだ?という時に、過去数年読んだ中で一番感動したのは村木厚子さんの以下の図書。共働きに悩んでいた会社の後輩に本書を推薦したところ、「彼」も感動していた。 https://m.media-amazon.com/images/I/61jQuI8QA9L._AC_UL640_FMwebp_QL65_.jpg
外国と日本の比較は、内閣府の男女共同参画局による比較ページに情報が多い。
2020年代の日本のビジネス界と結び付けて多様性の問題を考えるには、治部れんげさんの記事や著作が良いと思う。
WEB記事も沢山ある
少し上級なコンテンツへ。
2010年代の最後を揺るがしたMe too問題の原点を作った記者の本の邦訳が出た。このラジオ番組でも詳しく紹介されているので、本は無理でもぜひ前述のラジオ番組のリンク先はご覧いただきたい。(番組を聴くこと自体もお勧めです。アメリカ映画界の事情を掴むのに最適) https://m.media-amazon.com/images/I/71TaOEAX1hL._AC_UL640_FMwebp_QL65_.jpg
最後に。ハリウッドやアメリカのエンターテイメントが「黒人問題」を啓蒙的に扱っている、とは言っても、結局は白人の綺麗事だろう、という批判が一部にある。2019年のアカデミー賞で白人監督による『グリーンブック』という作品(もちろん、差別良くないよねが主題)が作品賞に選ばれた瞬間、怒って退席したのが黒人のスパイク・リー監督。彼による1989年の作品が以下。30年前にこの作品を出した人にしてみれば、あれからずっと変わっていない、まだこんなレベルで喜んでてふざけんな・・・という怒りが僕にも分かる気がした。決して楽しい映画ではないが、一生に一度は観ておいて良い作品だと思う。 Do the right thing. https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81BOQlb64HL._SX600_.jpg
今回、改めてまとめてみて、多様性の問題は「ジェンダー問題」「人種問題(僕は人種問題の映画を見ることがライフワークの一つ)」「生まれながらの格差不平等問題(ライシュのドキュメンタリーとか入れたい)」「宗教問題」など細分化しないと説明しきれないことを改めて感じた次第。
2020/9/6
2020/10/3
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