無限
Infinity
文字通り、限りが無いこと。
例えば、自然数には終わりがない。どんな数に対してでも、その次の数を挙げることができる。
→ペアノの公理
このため「自然数の最大数」には実体が存在しない。
しかし、「無限」という数として捉えることで説明できることが多い。
TeX 表記では \Infty
$ \infty
無限の反意語は有限
自然数と1対1対応する写像を定義できるかできないかで少なくとも2種類の無限があると考えられている。
自然数と1対1対応する写像を定義できる場合、可算無限(countably infinite)
順に数えることができる。
離散的
できない場合は、非可算無限(uncountably infinite)
数えることができない。
連続的
→アレフ数
有理数は可算無限
実数は非可算無限
無限は簡単に現れてしまう。
自然数は無限個存在する。
素数は無限個存在する。
2つの異なる実数の間には無限個の実数が存在する。
無理数を位取り記数法で表そうとすると、無限に続く。
有理数を位取り記数法で表す場合、循環小数になると無限に続く。
線の中には無限個の点が存在する。
直線は両端が無限に続いている。
空間は無限に広がる。(数直線が無限で、それが多次元になっている。)
集積点という考え方
ある点の近傍において、無限に要素がある、というのが集積点。
例えば $ 1/x | x\in \N 自然数の逆数の集合を考えると、0の近傍($ 0 \pm \varepsilonには無限に要素がある。つまり0は集積点になる。
この集積点自体の集合を考えると、0しかないので、この集合の集積点の集合は空集合になる。
これを多段にすることができる。実数の集合では、集積点の集合が無限にあり、その集積点の集合の集積点も無限にある。これは無限に繰り返すことができる。
無限の問題
有限時間に操作が終わらないのではないか、またそのことが問題とならないか?
ZFC公理系では、数学的に無限の集合が存在することを公理として取り扱う。(→無限公理)
無限の要素の中から適切に要素を選び出すことが本当に可能なのか?
ZFC公理系では、無限集合の中からでも選択できることを公理として取り扱う。(→選択公理)
無限を安易に使わないために、イプシロン-デルタ論法が考え出された。
参考
https://www.youtube.com/watch?v=IcSQCJAKShs
カントールが無限をどう考えるかというので集積点、実在的無限(数え終えることができる無限)という考え方を発明した。