ペアノの公理
Peano axioms
定義
1. 自然数$ 0が存在する。
原点の要件
オリジナルのペアノの公理では$ 1が原点とされていた。
2. 任意の自然数$ aにはその後者(successor)、$ \operatorname{suc}(a)が存在する。
連続性の要件
$ \operatorname{suc}(a)は$ a + 1と考えてよい。
3. $ 0はいかなる自然数の後者でもない。
原点に対する順序の要件
4. 異なる自然数は必ず異なる後者を持つ。$ a \neq bのとき$ \operatorname{suc}(a) \neq \operatorname{suc}(b)
自然数の各要素が一意であり、同じ自然数に合流しないことの要件。
$ a \neq bのとき$ \operatorname{suc}(a) = \operatorname{suc}(b)となるならば、合流したことになる。
5. $ 0が集合$ Sに含まれ、かつ、「自然数$ aが$ Sに含まれるならば$ \operatorname{suc}(a)も$ Sに含まれる」ならば、すべての自然数は$ Sに含まれる。(条件伝播による全体への波及の要件。数学的帰納法。)
「$ xが、ある性質を満たす」とは「$ xが、ある性質を満たす集合$ Sに含まれる」$ \{ x | x \in S \}という事である。
ペアノの公理を集合で表す場合、以下のような構成法が使える。
ただ1つの要素0とその集合の組合せに置き直すことができる。
$ 0 := 0 = \{\}
$ 1 := \operatorname{suc}(0) = \{0\}
$ 2 := \operatorname{suc}(1) = \{0,1\} = \{0,\{0\}\}
$ 3 := \operatorname{suc}(2) = \{0,1,2\} = \{0,\{0\},\{0,\{0\}\}\}
関連
参考