要素主義
要素主義的な発想では、合成物を構成する独立した個物が存在することを前提とする。 全体とはその自立的な個物を統合していった結果である。 対象全体の部分をすべて細かく見ていって、その各々の部分についての解析を完璧に完了させれば、そのときにはその対象全体も完璧に把握できるというような発想。
例えば、或る文章について、その文章中に出てくるすべての言葉の定義を知れば、その文章の意味も知ったことになる……というような発想。
個物を集めてゆけばやがて体系が出来上がる、という考え方であると思われる 全ての要素についての知識を得れば、そこから全体の知識を構成してゆけるという考え方
心理学における要素主義
心というものを説明しようとするときに、そのアプローチとして、「心は何からできているのか」という視点から解説してゆこうとする。 すなわち外的なものに対する内的なもの(心の反応)を対象。
データは内観法により得られる。そこで得られた要素を組み合わせることで、意識はこういうものだと表現することができると考えたらしい 「心は何のためにこのようになっているのか」という発想である。
心理的現象について、「この機能は何の役にも立っていない」と判断されれば、その現象は無視される可能性がある。
そうなると、《 役に立っている 》という事前判断で、現象の価値が左右されることになる。しかし、その事前判断はどこまで正しいのか。
まず全体があり、個物はその全体のうちに置かれてのみ価値(意味)を持つといった考え方? 要素主義的な発想に反して、反要素主義は、個物を集めるだけでは体系は出来上がらない、と主張するだろう。