『創造と狂気の歴史』
「創造」と「狂気」には切っても切れない深い結びつきがある──ビジネスの世界でも知られるこの問題は、実に2500年にも及ぶ壮大な歴史をもっている。プラトン、アリストテレスに始まり、デカルト、カント、ヘーゲルを経て、ラカン、デリダ、ドゥルーズまで。未曾有の思想史を大胆に、そして明快に描いていく本書は、気鋭の著者がついに解き放つ「主著」の名にふさわしい1冊である。まさに待望の書がここに堂々完成! 大きな枠組みは、「統合失調症中心主義」と「悲劇主義的パラダイム」という二本の柱で成り立ってきた近現代思想哲学に対して、デリダ・ドゥルーズら(特にドゥルーズに焦点が当たる)が加えた批判と、今後の展望が少し。そのためにプラトンからはじまる「創造と狂気」を巡る言説を紹介・点検していく。紹介される各思想哲学のスタンスがどれも興味深い。切り口が面白いからだろう。特にデカルト・カント・ヘーゲルの三者三様やヘルダーリン・ハイデガーのところがほほ~となったり圧巻だったりした。他の部分も興味深い。草間彌生や横尾忠則も言及される。イタロー.icon 図書館から借りてきた。2023/9/24久住哲.icon