読書感想「沈黙のパレード」
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なんとなく買ってしまった。
今や知らない人が多いかと思うが,東日本大震災の頃に東野圭吾さんにドハマリし,定年退職をした頃,東野圭吾さんの全著書を読むことが自分の楽しみの一つと当時の自分のブログに書いていたことを思い出す。 東日本大震災があった年の夏,息子と二人で新潟県新津市にアパートを借りて,プチ避難を1ヶ月だけしていた。その頃,1日1冊くらいのペースで東野圭吾さんの本を読み進めていた。特に,「白夜行」「幻夜」「秘密」「手紙」「……」のめり込んだ。 小説はとてもいいものだけれども,日常生活のペースを乱すからほどほどにしないと……と思って(人によるのだろうけどゲームや漫画,YouTubeと同じくらいの中毒症状を起こしますよね),あえて仕事中心の日常にはもちこまないようにとしたのだった。 買ってしまえば,読み始めてしまえば,少しずつ読みすすめるなんて無理なわけで……。
一気読みです。
やっぱり,小説は日常生活,仕事に支障をきたすから考えものだわ……。
東野圭吾さんですから,一気読みさせますし,なるほどなるほど,そうくるか,そんな展開になるか,え!そういう二重構造になっている……と,いう感じでのめり込ませてくれる。 が,ガリレオシリーズではあえて,そういう書き方をしているのか,登場人物の心の中を深く探るような書き方をしていない。だから何ということですが,人によっては「謎解き」や「トリック」に最大の興味があれば,「ハードボイルドタッチ」や「アクション」のように動きや周辺の環境の描き方に興味がある方もいるだろう。わたしは,ここ数年はなんといっても登場人物の心の中やその人の生きざまなど,「なぜ,今,ここにこうして立っているのか」というところに興味関心がある。 だからこそ,わたしの中では「太田愛」さんが書く物語にのめり込んだわけだが……。 【参照】
シリーズ物や,探偵が中心の小説になると,ファンがついていることもあり,これらの人物の詳細や前回からのアップデートのようなものも必要になる。おなじみの登場人物同士の関係性の変化や以前からの継続の描写など。これらに加えて,今回の物語の内容を加味していくわけだから……。書いていくの,難しいんだろうなぁ。
特に,固定ファンがついているので,ガリレオつまり湯川,そして草薙,内海という主要登場人物がそれぞれの特徴ある働きや言動が必要になる。わたしには,草薙と内海の役割の違いやその描き方がなかなかに難しかったかなぁと感じた。微妙な違いは書きぶりから感じはするんだけどね。それが物語の筋とは関係ないものなのだものね。