Audible版-太田愛著「幻夏」感想
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いやぁ,ここ最近ではわたしの中でダントツの1位。
何十ものしかけがあるストーリーだから,あまりストーリー的には多く語らないようにしよう。
ぜひ,まだ読んでいない人にも楽しんでもらいたいから。
(わたしは,あまり他人のことを考えないで,あらすじとか平気で書いてしまう人間なんだけどね。さすがにこの本のあらすじは書かないようにしようと思った)
Audibleの公式に書いてある「あらすじ」は誰でも読めるのでそれくらいはいかに紹介しておこう。
「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのか――少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。
ストーリーの柱の一つに「冤罪事件」があるのだけど,過去の冤罪事件って,どの程度,このお話に近いものなのだろう。
この本の内容のとおりに,警察が本気でその人が犯人だと思って捕まえた人間が,結果的にまちがっていたというものであるのか,それとももともとこの怪しい人間を犯人に仕立てていくという形で結果的に冤罪事件となっていくものがあるのか……。
なんだか,怖い。
SNSなどが発達して,当事者でない人間が無責任に勝手にどんどん大げさな内容を結果的に広げてしまう風潮になりがちな昨今,いろいろと考えてしまう。
このAudibleのレビューを読むに,この物語の主要登場人物が出ている別の小説もあるらしい。
ちょっと,この作者にとりこになりそうな私は,まず,その本をこの夏(お盆休み期間中あたり),読んでみたいと思った(Audibleにないようなので,実際の本を買って読む感じになるね。Kindleだな,こりゃ)。
とにかく,重厚な人間関係物語を読んでみたい人は読んでみてください。