誇張
Exaggeration
原理
アニメーションで現実をそのまま再現すると、かえって印象が弱く、説得力に欠ける結果になる。観客は画面上の動きを「無意識に補正して受け取る」傾向があるため、現実通りに描くと「現実より控えめ」に見えてしまう。これを補うために本質的な部分を大げさにする必要がある。
ただしExaggerationは「無秩序な歪曲」ではない。フランク・トーマスとオリー・ジョンストンは「リアリティへの忠誠を保ちつつ、極端なバージョンを提示する(a more extreme version of reality)」と定義した。リアルな観察に基づいたカリカチュアとしての誇張、という性質を持つ。 誇張の対象
誇張の対象は多岐にわたる。
表情の誇張:驚きの目を実際より大きく、笑顔を実際より広く
動作の誇張:振りかぶりを実際より大きく、停止時の慣性を実際より長く
限界とバランス
誇張は強力だが、過剰になるとキャラクターの一貫性が崩れる。同じ作品内で誇張の度合いを揃えることが重要で、一部のシーンだけ極端に誇張すると違和感が生まれる。一般に、コミカルな作品ほど誇張が強く、シリアスな作品ほど抑制的になる。
適用範囲
モーショングラフィックスでは、要素の登場時のオーバーシュート(一度行き過ぎてから戻る動き)が誇張の典型例。実際の物理ではあり得ない量で行き過ぎることで、登場の印象を強める。同様に緩急の極端化、サイズ変化の誇張なども応用される。 参考文献・出典
「Twelve basic principles of animation」Wikipedia
「Exaggeration Principle」Animator Island
「The 12 principles of animation」Adobe