リバタリアニズム
政治的な功利主義では最大多数の幸福のため個人を利用する事態を肯定するが、リバタリアニズムはこれに反発する 個人は社会内の「効用」を高めるために使われる道具ではない
個人の自由の権利は最大限尊重されるべきである
リバタリアンが否定する政府
干渉主義的立法
個人の保護を強制する立法
どのリスクを負うかも個人の選択である
道徳的立法
社会の道徳的価値観を規定促進するような法を制定するべきでない
この理論によれば正義とは以下2つからなる歴史的原理が満たされること 取得の正義
最初の所有が他者の自己所有権を侵害していないこと
最初の所得が正義であるためにはロックの但し書きが重要である
移転の正義
両者が合意した上で移転や交換、分配が取引されること(自由市場に基づくこと)
歴史的原理は原始取得から現時点まで、あるリソースが原理を満たし続けているかどうかで正当性を確認する
その結果、格差が生じていてもOK!
途中に不正があれば正しい人物へ返す
これに反対し、現時点において公平な資源分布になるよう分配しようというのが分配的正義原理 リバタリアニズムは社会を維持する最低限の平等な税制を肯定する
小さな政府に肯定的である
例えばゴミの廃棄や消防車なども個々の民間サービスにするべきである
所得税は廃止すべきである
その人は経済において正当な対価を認められ富を得た
個人の所有物を強制的に再分配するのは強制的な労働
強制的な労働は即ち奴隷制である
(ただし非富裕層がチャリティを募るような、強制力を伴わない要請は認められる)
リバタリアニズムの分類は幾つかあるが、ここで言及しているのは自然権リバタリアニズム
自然権リバタリアニズム
全ての人間が持つ自然権を基点として、(通常状態における)不可侵性を謳う立場
帰結主義リバタリアニズム
自由を尊重する社会は、当事者の幸福の総和を最大化しうると主張する立場
契約論リバタリアニズム
自由を尊重する社会だけが、当事者が合理的な契約に至る唯一のものであるとする立場
ロックの但し書きに関してはリバタニアンの中でも議論がある
主な論点
現実問題土地などは共有物が残らないため、公正さを維持できない
公正さと各人の自発性が正義の成立のために重要であるが、自発性とは何か?
論点に併せてロックの但し書きを拡大解釈、あるいは修正する立場が現れる
弱い解釈
強い解釈
左派リバタリアニズム
avashe.icon現代ではこれを素朴に取り入れている人は多いと思う(が自由と社会はそんな簡単に両立しない)
一貫した自己所有権は現実的な格差の促進に対する対抗策を持たない
金が無ければ火事が起きても見捨てられる
消防車を民間サービスにしている場所ではサービスを更新し忘れた結果、火事現場まで来た消防の人が他へ燃え移らないか見守っている状況が起きた
強者の(自己正当化のための)論理とも呼ばれる所以
リバタリアニズムは自己所有権を絶対視した場合に導かれる論理である
従って論点としては根本の「果たして自己所有権は常に完全に実現されるか?」という点に注目される
そもそも自身の肉体は社会や親との相互関係の中で出来上がった物であるが、完全に自己の所有物と言えるか?
他者と関わる以上常に自己所有権を実現することは不可能ではないか?
我々は自己所有権を限定的に認めながら社会をやらなければならないのでは?