功利主義
政治哲学においてはある系全体の幸福が最大になるような意志決定が正しいとする立場 正しい行為とは効用を最大化するものであり、正しい法制度は最大幸福をもたらすものだとした あらゆる幸福は定量的に評価できるとしたことから量的功利主義と呼ぶ 帰結として人間も定量化され、多数の幸福のために少数が犠牲になる状況が導かれてしまう
avashe.iconBentham自身はこの帰結に陥らないようにする反論をしているっぽいけど未調査
功利主義の特徴
幸福主義
個々人に与える幸福が重要とする立場
幸福の基準も議論の対象であるが本稿では現時点では省略する
総和主義
全体の幸福を最大化するように考える立場
公平性・普遍性
個々人の重み付けは等しくなければならない
各人を一人として数え、誰も一人以上とは数えない - Jeremy Bentham
宇宙の視点 - Henry Sidgwick
私にとって関係する人、物、事という事情は考慮に値し、倫理的な直観に合わないと主張した
幸福には違いが無いのか?区別はできないのか?それは倫理的直観に合わないのではないか?
結婚後の騒動でGodwinは意見を改め、身近な者への偏りをある程度まで認めた
(中略)子の利益を追求する父親の行為は、それが抽象的な効用の原理と適合するまでは有徳であるが、それ以上であってはならないということである。
二段階で道徳を判断する
直観レベル
一般的な倫理感を用いて個々の事例を判断する
直観は我々の日常に対応するように調整されているのでそれに従う
批判レベル
直観同士で衝突してしまうような状況や新たに倫理を制定する必要がある場合
ここで功利主義を用いれば良いと主張した
二層理論は構造上人々が直観に優先的に従い、公平性が抑制されうる
平凡な親族の命より有能な他人を優先できるような人物を養成するのは功利主義に見て「コストが掛かりすぎる」ため、仮にここで親族を優先する人物が居たとしても功利主義者は批判できない
avashe.iconこの方法は功利主義以外の倫理理論にも適用できそう
ミルの幸福の質的な違いがあることを認める立場を質的功利主義と呼ぶ 快楽を計算することは維持する
2つの喜びのうち 両方を経験した者が全員または ほぼ全員 道徳的義務感と関係なく 迷わず選ぶ物があれば それが より好ましい喜びである
経験として、人間には下劣な快楽とそうでないものを区別しているように見える
満足した豚であるより 不満足な人間である方がよい 満足した愚者であるより不満足なソクラテスである方がよい その愚者がもし異を唱えたとしてもそれは愚者が自分の側のことしか知らないからにすぎない
幸福を区別する能力は先験的に備わるのではなく、後天的に教養によって養われるとした
功利主義は直観に反する主張を提起し続けているのが特徴である
The unexamined life is not worth living - Socrates