有限要素法
教科書メモ
有限要素法の使用にあたっては、適切なモデリングや境界条件の設定、計算結果の評価など高度な実践知識が必要とされるので、設計の現場では苦労している
理論編は、有限要素法を使うにあたっての最低限必要な知識の習得である
実践編では、有限要素法シミュレーションを行う際に必要な実践的な知識に重点がおかれる
適切なモデル化・要素の選定、メッシュ分割の工夫、境界条件の設定、材料物性の入力、解析の結果の検証と分析において気をつけなければいけない点について述べる
第1章 有限要素法の基礎知識
1.1 材料力学とは
材料力学とはいくつかの単純な仮定を置くことにより非常に簡単な式で部材の変形や内部の応力・歪みを近似的に表現することを可能にする力学である
1.2 有限要素法とは
有限要素法では、同じ梁の問題を解析対象領域を節点で囲まれたメッシュ状の領域に分割し、変形を近似的に解く
ある要素ないの変異分布は節点の変位の値を使った形状関数によって内挿された値で近似される
そして代表点である節点の変異の数値計算で求める
隣り合う要素は節点によって共有されているので、どのように結合しているかが計算に反映される
ポイント1
有限要素法ではある要素内の変位分布は節点の変位の値を使った形状関数によって内挿された値で近似される、そして代表点である節点の変位を数値計算で求める
結果は節点数に大きく依存する
1.3 材料力学と有限要素法
材料で扱える構造は近似が成り立つ限られた理想的な形状であり、汎用性に欠ける
しかし、材料力学の解を求める意義は大きい、というのもオーダーエスティメーションができる
特に有限要素法との関係において引っ張り・圧縮・曲げ・ねじり・座屈の概念の理解は重要である
また、結果の解釈においては応力ー歪み関係式、応力テンソルの理解も必須である
また、必ず実機の応力や変位との比較によって検証されなければならない
第2章 有限要素法の原理(トラス要素)
有限要素法の原理を理解するために最も単純なトラス要素について解説する
マトリックス法と有限要素法は要素剛性マトリクスを導く手順以外はおなじ手順であるため、概要を把握する目的で理解するように
バネを一次元トラス要素で置き換えることによって全く同様な手順で一次元トラス要素を扱えることを示す
その後、一次元から見次元トラス要素への拡張方法について述べる
2.1 マトリックス法によるバネの計算
マトリックス法の手順は有限要素法と類似しており、
1.全体構造を要素へ分割
2,各要素の力学的特性を記述
3.各要素の特性を合成して全体構造の力学的特性を記述
4.境界条件を設定
5.物理量を算出
ポイント2
各要素の節点果汁と節点変位の関係を表現する係数のマトリックスを要素剛性マトリックスと呼ぶ
ポイント3
要素剛性マトリックスを節点の接続を考慮して重ね合わせたものを全体剛性マトリっくスと呼ぶ
ポイント4
有限要素法とは、全体剛性マトリックスの逆行列を節点の力ベクトルにかけて、節点の変位を求める計算手順である
2.2 一次元トラスの有限要素法
一次元トラスの有限要素法はバネのマトリックス法の計算とほとんど同じ手順となるが、トラスはバネと異なり弾性体であるため、要素剛性マトリックスの導出手順が異なる
ポイント5 仮想仕事の原理
釣り合い状態からの微妙な仮想変異による仮想仕事と物体内部の仮想歪みエネルギーが釣り合うこと
ポイント6
有限要素法では要素ないの変異分布は節点値から形状関数を使った内挿により近似されている
ポイント
2.3 二次元トラスの有限要素法
二次元トラスの解析は一次元トラスを拡張して容易に行うことができる
第3章 有限要素法の原理(ソリッド要素)
本章では、最も有限要素法で用いられるソリッド要素について説明する
最終的にその中でも最もポピュラーな二次元アイソパラメトリック要素の理解を目指す
この要素は最もよく用いられる要素であるにも関わらず原理的な側面を知らないことによる単純亜誤りを犯しやすい
3.1 三角形一次要素(定歪み要素)
アイソパラメトリック要素の理解を容易にするため、原理的に簡単な三角形一次要素の説明を先に行う
ただし実用的には三角形一時要素が使われることはない
3.2 アイソパラメトリック四辺形一次要素
3.3 アイソパラメトリック四辺形二次要素
3.4 軸対象ソリッド要素
3.5 三次元ソリッド要素
第4章 有限要素法の実践的知識
有限要素法の使用にあたっては高度な実践的知識が必要となるので、この章では、適正な形状のモデリング、要素の選定、メッシュ分割の工夫、環境条件の設定、物理モデルの設定・材料物性の入力、解析の結果の検証、分析と解釈、強度設計について詳細に記した
サンブナンの原理「物体の一部分に作用している荷重を、その荷重と等価なことなった分布荷重で置き換えても荷重の作用域から十分離れたところでは、この2つの荷重系の効果の差は無視できる
一般に二次元解析では、実用性が高いアイソパラメトリック四辺形二次要素が用いられる
メッシュの作成
メッシュを無限に細かくした場合、弾性理論解に近づくことが証明されている。
基本的に、2次元ならば三角形要素より四辺形要素、3次元なら四面体要素より六面体要素の方が精度が高い
精度が低い部分のメッシュを細かく切るのがh法で、メッシュの近似の次数をあげるのがp法と呼ばれる
応力は変位の勾配であるため変位より精度を出すのが難しい
第5章 有限要素法の演習問題
付録A 有限要素法のための応力の基礎
付録B有限要素法のための破壊力学の基礎