03-02.規則動詞の活用(常体)
本ページでは、デナスティア語の動詞の活用(常体)について解説している。
動詞
デナスティア語の動詞はいくつかの要素で活用する。主語の三つの人称、二つの数。三つの時制に二つの法、そして敬語か否かという二パターンでまずは72通りの活用をする(もっとも、中でもよく使うのは半分程度ではあるが)。
さらに常体と敬体という二種の不定詞、能動と受動の二種の分詞×(原形、形容詞、副詞、準体法単数、準体法複数、敬体準体法単数、敬体準体法複数(、与格形))で18種類。最大で90通りの活用形がある。
さらに、規則活用の規則も8通りある。
とはいえ、全てが全く点でバラバラというわけではないので、そこまで身構えなくても大丈夫である。
動詞の活用方法(常体)
常体の場合、動詞の活用は以下のように語尾が連なる。
語幹 法 時制(非過去or過去) 主語の数 主語の人称 命令時制語尾
固定 直接法 非過去時制(無標) 単数 一人称 非命令時制(無標)
条件法 過去時制マーカー/n/ 複数 二人称 命令時制マーカー/o/
三人称
過去時制マーカーと命令時制マーカーは共起できない。よって、時制は「無標」「過去」「命令」の三通りとなる。
過去時制マーカーが挟まらなかった場合、法の語尾と主語の数の語尾はひとまとまりのものとして表示されるようになる。
活用の詳細
デナスティア語の動詞の活用には、大まかに以下のような特徴がある。
主語の人称への一致
デナスティア語の動詞は主語の人称(一人称、二人称、三人称)に一致するように活用する。
この一致は子音によって表され、さらに常体と敬体の違いによってその子音の種類も変化するが、本ページでは常体の場合の子音のみを扱う。
常体の動詞活用の主語の人称(一人称、二人称、三人称)
語末形 語中形
一人称 -s -s-
二人称 -k -tz-
三人称 -t -t-
原則として人称に一致する子音は語末に現れるが、命令時制の場合のみ語中形が用いられる。
この子音は、主語の数が単数でも複数でも変化しないという非常に人工言語的なものとなっている。
数
デナスティア語の動詞は人称だけでなく主語の数にも一致を起こす。
デナスティア語の名詞の数には単数と複数があり、それに合わせて動詞の最終音節の母音が変わる。
ただし、上記はあくまで原則であり、単数形でも複数形として扱う場合(veih接辞)や、その逆の場合もある。 基本的に「uを足せば複数マーカー」と覚えておけば大抵の場合問題ない(一部は例外的にhを用いる)。
ただし過去時制の複数マーカーは例外なくo、主語が単数形なら過去時制はeと覚えるとよい。
現在時制または命令時制の場合、語幹の母音と直接繋がることで、綺麗に活用が発生しない場合がある。
数マーカーの基本
単数 複数
直接法現在、命令 (無標) u(またはh)
過去 e o
時制
デナスティア語には三つの時制があり、それぞれ現在時制、過去時制、命令時制と呼ばれる。
現在時制は「語幹(+条件法マーカー:後述)+数マーカー+人称マーカー」からなる。
現在時制において、数マーカーは語幹または条件法マーカーと(あるいはその両方)と膠着し、屈折言語のような複雑な活用を生むことがある。
過去時制は条件法マーカーと数マーカーの間の位置に過去時制マーカーとなる「n」を置くことで表現できる。
過去時制マーカーを置かなかった場合、語幹、条件法マーカー、数マーカーは高度に膠着し、屈折語のように振る舞う。
命令時制は、現在時制の活用をさせた動詞の語末に、命令時制マーカーとなる「o」を置くことで表現できる。
命令時制の動詞は、人称マーカーとして使用する子音が上述の語中形で現れる。
法
デナスティア語には二つの法があり、それぞれ直接法、条件法と呼ばれる。
直接法は無標の形を取る。
条件法は、主語の数が単数形であるまたは動詞が過去時制の場合、条件法マーカーとなる「i」を語幹の直後に挿入することで表現される。
条件法は主語の数が複数形かつ、動詞の時制が現在時制あるいは命令時制の場合、条件法マーカーが「u」となる。
その他の動詞の活用
デナスティア語のその他の動詞の活用形には、以下のものがある。
原形不定詞
原形不定詞は、動詞が辞書に記載される際の形であり、(動詞の)辞書形とも呼ばれる。
一部の動詞の活用形の直後などに置かれ、4種類の例外的な動詞を除き、すべて語末が-eで終わる。
分詞
デナスティア語の分詞は、大きくわけて能動分詞(現在分詞)と受動分詞(過去分詞)に分けられる。
分詞の基本形は分詞幹と呼ばれ、それぞれ能動分詞幹、受動分詞幹と呼ばれる。
形容詞のように振る舞い、能動分詞幹の語末は例外なく-stで、受動分詞幹の語末は例外なく-ntで終わる。
分詞幹以外の形、及び用法の詳細については分詞の用法のページを参照のこと。 規則活用一覧
規則活用は全部で8通りである。なお、小文字はその母音字を、大文字のCは任意の子音字を指す
A活用a型:不定詞の語尾が-Caまたは-Cae
A活用u型:不定詞の語尾が-Cuまたは-Cue
A活用e型:不定詞の語尾が-Ce
A2活用:不定詞の語尾が-Caue
O活用:不定詞の語尾が-Coe
O2活用:不定詞の語尾が-Cuoe
I活用:不定詞の語尾が-Cie
I2活用:不定詞の語尾が-Cuie
なお、各種活用の簡易な比較を行うと、以下の通りとなる。
以下の表では上と並び順がやや異なるが、これは活用体系の類似したものを隣り合わせになるように並べ替えたためである。
大文字のCは任意の子音字を指す。なお、このCが語頭子音となる場合もある。
活用型 原形不定詞 直現単 直現複 直過 条現単 条現複 条過 能動分詞幹 受動分詞幹
A活用e型 -Ce -Ce- -Ceu -Cn- -Cai- -Ceu- -Cain- -Cast- -Cent-
A活用u型 -Cu(e) -Cu- -Cau -Cn- -Cai- -Ceu- -Cain- -Cast- -Cent-
A活用a型 -Ca(e) -Ca- -Cau- -Can- -Cai- -Ceu- -Cain- -Cast- -Cent-
A2活用 -Caue -Cau- -Cau- -Caun- -Coi- -Cou- -Coin- -Caust- -Caunt-
O活用 -Coe -Co- -Cuh- -Con- -Coi- -Cou- -Coin- -Cost- -Cont-
O2活用 -Cuoe -Cuo- -Cuh- -Cuon- -Coi- -Cou- -Coin- -Cust- -Cunt-
I活用 -Cie -Ci- -Ciu- -Cin- -Cih- -Ciu- -Cihn- -Cist- -Cint-
I2活用 -Cuie -Cui- -Ceh- -Cuin- -Cih- -Ciu- -Cihn- -Cist- -Cint
分詞幹の活用については分詞の用法のページを参照のこと。 活用型及び法と時制(そして過去時制でない場合主語の数も)を確認し、原形不定詞を交差する場所の活用に変化させる。
命令時制の場合、現在時制を参照すること。
その後、以下の表の語尾をつける。時制が過去の場合は、主語の数については以下の表で確認すること。
人称 現在時制 命令時制 過去時制(主語:単数形) 過去時制(主語:複数形)
一人称 -s -so -es -os
二人称 -k -tzo -ek -ok
三人称 -t -to -et -ot
活用形の比較
A活用の直接法過去時制はa型を除いて幹母音が消失する。
それぞれの2型活用の原形不定詞は、A2型のみuが後ろとなり、O2型及びI2型はuが先行する。
条件法の活用及び分詞の活用、そして直接法過去時制の母音消失の有無、現在・命令時制の複数主語の際の発音上の区別の有無といった特徴を取り出した表は以下の通りである。
活用型 直過母音消失 現命時制複数形の法の区別 単数(or過去) 複数形 能動 受動
A活用(a型) なし あり -ai- -eu- -ast- -ent-
A 活用(u型) あり あり -ai- -eu- -ast- -ent-
A活用(e型) あり なし -ai- -eu- -ast- -ent-
A2活用 なし あり -oi- -ou- -aust- -aunt-
O活用 なし なし -oi- -ou- -ost- -ont-
O2活用 なし なし -oi- -ou- -ust- -unt-
I活用 なし なし -ih- -iu- -ist- -int-
I2活用 なし あり -ih- -iu- -ist- -int-
ここからは、各種活用をすべて一覧にした表を示す。
A活用a型
A活用a型は、以下の通り活用する。不定詞は-Ca(e)、能動分詞幹は-Cast、受動分詞幹は-Centとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cas -Caus -Cais -Ceus
現在 二人称 -Cak -Cauk -Caik -Ceuk
現在 三人称 -Cat -Caut -Cait -Ceut
過去 一人称 -Canes -Canos -Caines -Cainos
過去 二人称 -Canek -Canok -Cainek -Cainok
過去 三人称 -Canet -Canot -Cainet -Cainot
命令 一人称 -Caso -Causo -Caiso -Ceuso
命令 二人称 -Catzo -Cautzo -Caitzo -Ceutzo
命令 三人称 -Cato -Cauto -Caito -Ceuto
A活用はa型、u型、e型の三つの型があり、これらは条件法や能動及び受動の分詞幹の活用が共通している点が特徴的である。
A活用u型
A活用u型は、以下の通り活用する。不定詞は-Cue、能動分詞幹は-Cast、受動分詞幹は-Centとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cus -Caus -Cais -Ceus
現在 二人称 -Cuk -Cauk -Caik -Ceuk
現在 三人称 -Cut -Caut -Cait -Ceut
過去 一人称 -Cnes -Cnos -Caines -Cainos
過去 二人称 -Cnek -Cnok -Cainek -Cainok
過去 三人称 -Cnet -Cnot -Cainet -Cainot
命令 一人称 -Cuso -Causo -Caiso -Ceuso
命令 二人称 -Cutzo -Cautzo -Caitzo -Ceutzo
命令 三人称 -Cuto -Cauto -Caito -Ceuto
直接法過去時制において、不定詞の語幹の母音uが消失するという特徴がある。
上述の通り、条件法の活用と二種の分詞幹の活用は A活用で共通である。
A活用e型
A活用e型は、以下の通り活用する。不定詞は-Ce、能動分詞幹は-Cast、受動分詞幹は-Centとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Ces -Ceus -Cais -Ceus
現在 二人称 -Cek -Ceuk -Caik -Ceuk
現在 三人称 -Cet -Ceut -Cait -Ceut
過去 一人称 -Cnes -Cnos -Caines -Cainos
過去 二人称 -Cnek -Cnok -Cainek -Cainok
過去 三人称 -Cnet -Cnot -Cainet -Cainot
命令 一人称 -Ceso -Ceuso -Caiso -Ceuso
命令 二人称 -Cetzo -Ceutzo -Caitzo -Ceutzo
命令 三人称 -Ceto -Ceuto -Caito -Ceuto
A活用u型と同様に直接法過去時制において、不定詞の語幹の母音eが消失するという特徴がある。
A活用の他の型と異なり、主語が複数形の場合、直接法でも条件法同様にeuという母音が現れる。
一方で分詞はA活用で共通のものとなっている。
A2活用
A2活用は、以下の通り活用する。不定詞は-Caue、能動分詞幹は-Caust、受動分詞幹は-Cauntとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Caus -Caus -Cois -Cous
現在 二人称 -Cauk -Cauk -Coik -Couk
現在 三人称 -Caut -Caut -Coit -Cout
過去 一人称 -Caunes -Caunos -Coines -Coinos
過去 二人称 -Caunek -Caunok -Coinek -Coinok
過去 三人称 -Caunet -Caunot -Coinet -Coinot
命令 一人称 -Causo -Causo -Coiso -Couso
命令 二人称 -Cautzo -Cautzo -Coitzo -Coutzo
命令 三人称 -Cauto -Cauto -Coito -Couto
A活用とは異なり、直接法は主語が単数形と複数形の場合、ともにauという同形をとる。
A活用とは異なり、条件法はO活用と同じである。活用型の名前に騙されないように注意。
分詞の形は他のどの活用型とも異なる。
O活用
O活用は、以下の通り活用する。不定詞は-Coe、能動分詞幹は-Cost、受動分詞幹は-Contとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cos -Cuhs -Cois -Cous
現在 二人称 -Cok -Cuhk -Coik -Couk
現在 三人称 -Cot -Cuht -Coit -Cout
過去 一人称 -Cones -Conos -Coines -Coinos
過去 二人称 -Conek -Conok -Coinek -Coinok
過去 三人称 -Conet -Conot -Coinet -Coinot
命令 一人称 -Coso -Cuhso -Coiso -Couso
命令 二人称 -Cotzo -Cuhtzo -Coitzo -Coutzo
命令 三人称 -Coto -Cuhto -Coito -Couto
主語が複数の場合、現在(命令)時制の直接法と条件法は綴り字こそ違うものの、発音としては全くの同音である。
O2活用
O2活用は、以下の通り活用する。不定詞は-Cuoe、能動分詞幹は-Cust、受動分詞幹は-Cuntとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cuos -Cuhs -Cois -Cous
現在 二人称 -Cuok -Cuhk -Coik -Couk
現在 三人称 -Cuot -Cuht -Coit -Cout
過去 一人称 -Cuones -Cuonos -Coines -Coinos
過去 二人称 -Cuonek -Cuonok -Coinek -Coinok
過去 三人称 -Cuonet -Cuonot -Coinet -Coinot
命令 一人称 -Cuoso -Cuhso -Coiso -Couso
命令 二人称 -Cuotzo -Cuhtzo -Coitzo -Coutzo
命令 三人称 -Cuoto -Cuhto -Coito -Couto
主語が単数形かつ直接法の場合または直接法過去時制の場合、そして原形不定詞と分詞幹を除きO活用と活用形が全く同じである。
特に条件法については活用が完全に同じである。
I活用
I活用は、以下の通り活用する。不定詞は-Cie、能動分詞幹は-Cist、受動分詞幹は-Cintとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cis -Cius -Cihs -Cius
現在 二人称 -Cik -Ciuk -Cihk -Ciuk
現在 三人称 -Cit -Ciut -Ciht -Ciut
過去 一人称 -Cines -Cinos -Cihnes -Cihnos
過去 二人称 -Cinek -Cinok -Cihnek -Cihnok
過去 三人称 -Cinet -Cinot -Cihnet -Cihnot
命令 一人称 -Ciso -Ciuso -Cihso -Ciuso
命令 二人称 -Citzo -Ciutzo -Cihtzo -Ciutzo
命令 三人称 -Cito -Ciuto -Cihto -Ciuto
主語が複数形かつ現在または命令時制の場合、直接法と条件法の形が同じになる。
I2活用
I2活用は、以下の通り活用する。不定詞は-Cuie、能動分詞幹は-Cist、受動分詞幹は-Cintとなる
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称 -Cuis -Cehs -Cihs -Cius
現在 二人称 -Cuik -Cehk -Cihk -Ciuk
現在 三人称 -Cuit -Ceht -Ciht -Ciut
過去 一人称 -Cuines -Cuinos -Cihnes -Cihnos
過去 二人称 -Cuinek -Cuinok -Cihnek -Cihnok
過去 三人称 -Cuinet -Cuinot -Cihnet -Cihnot
命令 一人称 -Cuiso -Cehso -Cihso -Ciuso
命令 二人称 -Cuitzo -Cehtzo -Cihtzo -Ciutzo
命令 三人称 -Cuito -Cehto -Cihto -Ciuto
条件法及び分詞幹の活用はI活用と同じである。
直接法かつ現在時制または命令時制の場合、他の活用型と異なり主語が複数形でも母音字uが現れない。
法 直接法 直接法 条件法 条件法
時制 主語の数 単数 複数 単数 複数
現在 一人称
現在 二人称
現在 三人称
過去 一人称
過去 二人称
過去 三人称
命令 一人称
命令 二人称
命令 三人称