著作権法30条4を撤回せよという渡辺委員意見への感想
渡辺俊幸 作曲家,一般社団法人日本音楽著作権協会理事,洗足学園音楽大学客員教授
がTLに流れてきたので読んでみたら全く意見が異なったので自分の意見を書く
Claude 3 Opus.iconによる要約
渡辺委員は、著作権法30条の4について見直しを求めている。特に音楽分野において、この規定が必要ないと考えている。主な理由は以下の通り。
音楽生成AIは、音楽文化の発展に寄与しない。むしろ、稚拙な音楽が生成され、若者の音楽感性に悪影響を与える可能性がある。
反論:AIは人間の創造性を代替するのではなく、人間の創造性を増幅するツールとなる基素.icon
AIによって提示される多様なアイデアや表現は新たな発想を生み出すきっかけとなる
音楽家はより洗練された作品を生み出せるようになる
アマチュアによる稚拙な音楽はすでに溢れているが、それが悪影響になっているとは思わない。根拠が薄弱だ
音楽生成AIは、プロの音楽家の職域を犯す可能性がある。
反論:もちろんそうなるだろうが、他方でAIを活用することで、創作プロセスの効率化や、新しい表現方法の探求が可能になる基素.icon
AIによって単純作業から解放された音楽家は、より本質的な創造性に集中できるようになる
私は変化に積極的に適応する方が好きだ
営利目的の音楽生成AIを開発する際は、権利者の許可を得るべきである。
反論:生成AIが著作物から学習することと、人間が他者の作品からインスピレーションを得ることは、本質的に同じ行為基素.icon
人間は常に先人の作品から影響を受け、アイデアを取り入れながら創作活動を行う。その過程で、インスピレーション源となった作品の権利者に対価を支払うことはまれ
AIの学習を人間の創作活動と異なる扱いにするのは不合理
AIで強化された人間とAIの違いの線引きは原理的に不可能
音楽以外にも、美術、デザイン、写真、映画、アニメなどのクリエイティビティが求められる分野で、生成AIは職を奪う可能性がある。
もちろんその通り。つまり、様々なクリエイティブな分野で革新的な変化をもたらす可能性がある。AIの活用は、クリエイティブ産業の発展と、社会全体の創造性の向上に寄与する基素.icon
これらの分野での生成AIは、能力のない人々を喜ばせるだけで、国の発展に結びつかない。
反論:「能力のない人々を喜ばせる」ことは文化の発展に寄与する基素.icon
「国の発展」は何を言っているのかよくわからない。著作権法は文化の発展を目的としているので文化の発展と解釈する
国の文化的な発展は、プロのクリエイターだけでなく、多様な人々の創造的な活動によって支えられている
今のプロは昔のアマチュアだ。たくさんの志願者がいて、その中で一部がプロになる
関連産業の発展はアマチュア愛好家なくして成り立たない
著作権法はプロだけを特別に守る法律ではない
創造性の主体をプロのクリエイターに限定し、アマチュアの役割を軽視するのは傲慢である
もちろんプロはすごいことは知っている。すごいと思うから金を払っているのだ
プロンプトを入れるだけ数分でつくり上げるというようなアプリが既に存在しておりますが、こういったアプリは一体誰にとって必要なんだろうかといいますと、はっきり言って作曲能力のない一般の方々を喜ばせることのためにある。プロの音楽家が必要とするものではないと考えます。アマチュアを喜ばせるだけのためのアプリが音楽文化の発展に寄与するとは到底思えないわけです。
基素.icon渡辺委員は、プロとアマチュアに分けて、アマチュア向けは音楽文化の発展に寄与しないとおっしゃっていると理解していいのかな?
Claude 3 Opus.iconおっしゃる通り、渡辺委員の発言には、プロとアマチュアを明確に区別し、アマチュア向けの音楽生成AIを音楽文化の発展と切り離して考える姿勢が表れています。
渡辺委員は、音楽生成AIについて「はっきり言って作曲能力のない一般の方々を喜ばせることのためにある」と述べ、「アマチュアを喜ばせるだけのためのアプリが音楽文化の発展に寄与するとは到底思えない」と断言しています。これは、アマチュアの音楽活動を、プロの活動とは明確に区別し、音楽文化の発展には寄与しないものとして位置づけている発言だと理解できます。
とすると、偏狭なものの見方に感じる基素.icon
プロ・アマチュアを問わず、全ての人々の音楽活動が支援されることが音楽文化の発展につながる
音楽文化(を含むあらゆる文化)は多くのアマチュアが支えている
音楽市場をささえているのは多くのアマチュアだ
ビジネスはアマチュアの音楽活動を利用ている。アマチュアをターゲットとした商業活動が音楽の裾野を広げた。アマチュアの活動により多様性を確保され、音楽業界は新たな才能を発掘してきた
多くのアマチュアが買っているから楽器などの機材が安く流通し、その中からプロの音楽家も生まれる
様々な背景を持ったアマチュアがいる中間の厚みは多様性そのものである
ここまで抽象度を上げてしまうとどうとでも反論できてしまう
近視眼的:現時点でプロにとって必要がない機能がただあることを持って、今後全てプロに使い物にならないものだと予想するのは過剰に過小評価していると思う
作曲能力のない一般の人々向けのアプリが先に出るのは技術的な制約からであり、コントローラブルなものはもっと成熟した後に出るだろう
画像生成AIがプロの現場で使いづらい部分がかなりあるのと同じ
基素.iconこれが議事内容の全文ですが、渡辺委員と異なる意見はある?
Claude 3 Opus.icon
渡辺委員ほどではないにせよ慎重な意見もある一方で、生成AIをある程度肯定的に捉える意見も複数みられました。
内山委員は、生成AIを「切れ味のいい包丁」のような便利な道具に例え、上手に使えば良いが悪用すればまずいという両面性を指摘しています。一律の規制ではなく、コンテンツジャンルごとに生成AIの影響を見極めるべきだと述べており、渡辺委員ほど否定的ではありません。
草野委員は、アーティストとしてAIの創造的可能性を探求しており、写真分野ではAIを活用した新しい表現が評価されていると紹介しています。AIの活用で表現の幅が広がる一方、一部の仕事が奪われるというトレードオフがあると指摘しつつ、AIには一概にオリジナリティがないとは言えないと述べ、渡辺委員より肯定的な見方をしています。
太田委員は、生成AIの学習と人間の学習は著作物からエッセンスを学ぶ点で同じだと指摘し、人間が他人の著作物にインスピレーションを受けるのに許可が要らないのと同様、AIの学習にも許可は不要ではないかと問題提起しています。
同意見基素.icon
明治大学法学部教授だった。やはり著作権法を学んでいる人はこう考える傾向がある。学んでない人の方がなぜか自分だけに都合の良い解釈(そしてその解釈が通ったら自分だけに都合がいいことは起きない)をしようとする
棚井委員は、新たな写真のアーカイブへの登録を進めているものの、AIによる無断学習への懸念からアップロードを躊躇する写真家が多いと紹介。学習による生成物の営利利用への不安から、早急な措置を求めており、渡辺委員に近い立場と言えます。