仕事でマインドフルネス瞑想を使う方法
仕事ストレスに対処する方法
1.目がさめたときに、今日、仕事に行くのは”みずから選択したことである”と確認してください。確認できたら、今日するはずの仕事をざっとたどり、心の中に刻みつけてください。
2.シャワーを浴びる、服を着る、朝食をとる、家族と言葉をかわすといった、出勤するまでのすべてのプロセスを意識的に行ってください。そのときは、常に、自分の呼吸と体に注意を集中してください。
3.「いってきます」という言葉を、機械的に言わずに、相手と目を合わせ、その瞬間をゆっくりと、しっかりと確認しながら言ってください。家族が起きる前に出勤する人は、朝の挨拶とともに自分の気持ちを表現するちょっとしたメモを残していくといいでしょう。
4.通勤にバスや電車を使う人は、歩いているときも、立って待っているときも、乗りこんだり降りたりするときも、自分の体に意識を向けてください。職場に入るときも呼吸に注意を集中し、心の中で微笑んでいるようなつもりでいてください。
車で出勤する人は、ハンドルを握る前にすこし呼吸に注意を集中し、自分は今から職場に向かうのだと確認してください。数日間はラジオを聴かずに運転してください。運転と、運転している自分だけに注意を集中します。停車して発進するときも、発進する前に瞬間的に呼吸を意識してください
5.仕事中も、ときどき自分の体の感覚に注意を向けてください。肩や顔、手、背中が緊張していないかどうか、今、自分の体がどんなふうに座っているか、あるいは立っているか、などを意識してください。緊張していると感じたら、バランスのとれた姿勢に変えるなどして、意識的に緊張感を解放してください。
6.仕事中に歩くときは、できるだけゆっくりと注意を集中しながら歩いてください。必要以上に急いではいけません。急がなければならない場合は、自分が急ぎ足で歩いているということを意識してください。
7.休憩は本当にリラックスできるようなものでなければなりません。コーヒーを飲んだり、タバコをすったりする代わりに、3分間でも建物の外に出て、散歩したり深呼吸をしたりしてみてください。机の前で首と肩を回す運動(6章・図7参照)をするのもいいでしょう。あるいはオフィスの扉を閉めて、5分ほど静かに座り、呼吸に注意を集中するのもいいでしょう。
8.休憩や昼食時間は、一緒にいて気持ちが落ちつく人とすごすべきです。そういう友人がいない場合は、一人ですごしたほうがいいかもしれません。昼食時間には環境を変えてみるといいでしょう。週に1回か2回は、静かに注意を集中して食べるようにしてください。また、昼食をとらずに、昼休みに運動をするのもストレス軽減に効果的です。
9.1時間に1回、1分間だけ仕事を離れて、呼吸に注意を集中してください。私たちは、ふだん、仕事中でもぼーっとしているときがたくさんあります。この”ミニ瞑想”を使って、いつも現在という瞬間に自分を引き戻してください。
10.仕事中にも、注意を集中したり、リラックスできるきっかけを見つけてください。わざわざ時間を作るのではなく、通常の業務の中で、たとえば電話の呼び出し音が鳴っているあいだとか、コンピュータが起動するまでのあいだとか、誰かが仕事を終えるまで待っているあいだ、といったちょっとした時間を見つけて、自分の集中力をとり戻しリラックスさせるのです。
11.仕事中は、人とのコミュニケーションにも注意を向けてください。しっかりと意思が通じているか、それともどこかに問題があるのか、あるとしたらどうすれば改善できるのかを考えてください。相手があなたに対して、受動的か敵対的かにも注意をはらってください。どうすればもっとうまくコミュニケーションをとれるか、どうすれば相手の気持ちや要求をもっと敏感に察知できるか、そして、どうすればもっと人の役にたてるようになるかを考え、声の調子や身ぶりにも気を配ってください。
12.1日の仕事を終了するときは、今日やった仕事をもう一度見なおし、明日しなければならない仕事のリストを作ります。一つひとつの仕事に優先順位をつければ、一番大切なことは何かということがわかるはずです。
13.会社を出たら、自分の歩き方や呼吸に注意を集中し、仕事から離れてどんな変化が現れるかを観察してください。体は疲れていますか? 腰をかがめずに、まっすぐ立っていられますか? 顔の表情にどんな気持ちが表れていますか?
14.バスや電車で帰る人は、自分の歩き方、立ち方、座り方を意識してください。そして、職場と家のあいだで体験する瞬間も、ほかの瞬間と同じようにじっくりと味わってください。
15.家の扉を開ける前に、「自分は今帰ってきて、家の中に入ろうとしている」と意識してください。「ただいま」と挨拶するときも、ただ声をかけるだけではなく、きちんと家族と目を合わせるようにしてください。
16.帰宅したら、できるだけ早く仕事用の服を脱いでください。服を着替えると、速やかに家での生活に移行することができます。意識的に家庭での自分に変わることができるわけです。できれば、料理をしたり食事をしたりする前に5分ほど時間を作り、瞑想してください。
ここでお話したことは、こんなふうにやってみたらどうかという単なる提案です。毎日のプログラムではありません。どんなふうにしたら自分の仕事ストレスが改善されるか、自分にとって一番良い方法は何かを見つけるのは、あなた自身です。
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