転波列
急斜面上の薄層流には転波列と呼ばれる波列が形成されることが知られている.雨の日に雨水でできた急斜面上のシートフローを観察すると,ほぼ一定の間隔で横断方向に平行に並んだ波列が見られる.また,雨樋を伝って流れる水量が定期的に変化するのも雨樋や屋根に形成された転波列によるものである. https://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/omake/images/dam/l/aki.jpghttps://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/omake/images/dam/l/rollwave01.jpg
降雨時に坂道を流れる水が転波列を形成しているのはよくみる
水だけではなく急傾斜地を流れる土石流でもみられる現象である 大阪大学大学院基礎工学研究科の渡村友昭助教、大学院生の岩坪史弥(博士前期課程)、杉山和靖教授、キリン株式会社の山本研一朗博士、四元祐子氏、塩野貴史氏らの研究グループは、コップに注いだギネスビールの泡が作り出す模様は、雨水が傾斜面を下降する際に現れる模様【転波:てんぱ 】と同様に、コップの傾斜面を液体の塊が転がり落ちているものであることを世界で初めて明らかにしました。ギネスビールという黒ビールは窒素ガスが加圧封入されており、コップに注ぐとコーラや炭酸水に含まれる炭酸ガスの泡の1/10程度の微細な泡が発生し、また泡がコップの上から下へと移動する美しい模様 (図1) が現れることが知られています。