石が流れて木の葉が沈む
本来は軽い木の葉が流れ、重い石は沈むものなのに、それが逆になっていることから、物事が通常の道理とは逆になっていることのたとえ。 『新語』に「夫れ衆口の毀誉は、石を浮かべて木を沈ます(多くの人が言う悪口や褒め言葉は、真理とは反対である)」とある。 『新語』(しんご)は、古代中国の前漢初期(紀元前200年頃)に陸賈が著した書籍である。漢の高祖(劉邦)の求めに応じて書かれ、諸国の興亡の原因を説く。全12篇が今に伝わるが、真に陸賈が著したものかどうか疑う新語偽作説がある。 「流れる石」として例えば軽石があるhatori.icon 多孔質なので水に浮く(ただし時間と共に水が染み込んで沈む) 2021年に福徳岡ノ場の噴火に伴って噴出した軽石が、各地に漂着して騒動となったことは記憶に新しい 類似表現
一般大衆の無責任な言論が、道理に反して威力をもつたとえ。水に沈むはずの石を浮かせ、水に浮くはずの木を沈める意から。▽「石いしを浮うかせ木きを沈しずむ」と訓読する。
「石が流れて木の葉が沈む」は必殺仕業人(ひっさつしわざにん)のオープニングナレーションにも出てくるhatori.icon 必殺口上
あんた この世をどう思う
どうってことねえか
あんた それでも生きてんの
この世の川を見てごらんな
面白いかい
あんた 死んだふりはよそうぜ
やっぱり木の葉はぴらぴら流れて欲しいんだよ
石ころはじょぼんと沈んでもらいてぇんだよ
おいあんた 聞いてんの
聞いてんのかよ
あらぁ もう死んでやがらぁ
はぁ… 菜っ葉ばかり食ってやがったからなぁ