意識の奥底で、ほとんど無意識に近いところで、つねに鳴っている日本語
*毎年この時季になると、この土地は暴力でいっぱいになり、まるで地元の人は冬のシーズン中、身を慎んでいるようだ.
The local air down here this time of year is full of violence, as if the natives are on good behavior during the winter season.
なるほど原文どおりの訳文だ。しかし「暴力でいっぱい」というのは、いささか拙いのではあるまいか。小学生作文では特選ものの表現だろうが、もう少しおとなっぽく訳すべきではないか。
こうして夢魔の境に歩がすすんでゆくところ
ああ、霊感がいっぱい、あたりまえのこといっぱい
詩人が発する「いっぱい」という語は、他の語で置換えることはできない。たんに辞書におさまっている「いっぱい」からはどんなに耳を近づけても聞えないひびきを、この詩の「いっぱい」は放つ。
p.83,84
動くの話。詩人の詩語は置き換えることができない(しかもひびきを放つらしい)cFQ2f7LRuLYP.icon