忘却函手
非公式な用語で、正式な定義はないらしい
なんじゃそりゃtakker.icon
(a) $ U:{\bf Grp}\to{\bf Set}
$ U_o:{\rm ob}({\bf Grp})\ni G\mapsto\underline G\in{\rm ob}({\bf Set})
$ U_f:{\bf Grp}(G,H)\ni g\mapsto g\in{\bf Set}(U_o(G),U_o(H))
つまり、$ U=(G\mapsto\underline G,g\mapsto g)である
ようは群の圏から群の性質を削り取り、ただの集合と写像に仕立て上げたということ これを忘却と呼んでいる
$ P\land Q\implies Pとやっていることは同じtakker.icon
(b) いろいろな忘却函手
環構造を忘れちゃった函手$ U:{\bf Ring}\to{\bf Set} $ U=(R\mapsto\underline R,r\mapsto r)
線型構造を忘れちゃった函手$ U:{\bf Vect}_K\to{\bf Set}
$ K:任意の体
$ U=(V\mapsto\underline V,v\mapsto v)
どんどん忘れていこうtakker.icon
実装を維持して、型定義を忘れた感じに近いtakker.icon
typescriptで書いた函数をjavascriptにtranspileするイメージ
……でおおむね的を得ていると思うがどうじゃろか
すべて忘れなくてもいいんですって!takker.icon
構造や性質の一部だけを忘れた函手を考えられる
(c) 構造を忘れる
$ (\underline A,+,\times)をから$ \timesを削って$ (\underline A,+)にしちゃうとか
$ U:{\bf Ring}\to{\bf Ab}
$ U=((\underline R,+,\times)\mapsto(\underline R,+),r\mapsto r)
環は$ +に関して可換群
$ U:{\bf Ring}\to{\bf Mon}
$ U=((\underline R,+,\times)\mapsto(\underline R,\times),r\mapsto r)
環(擬環)は$ \timesに関してmonoid
(d) 性質を忘れる
どれも構造は$ (\underline A,+)と共通だが、満たすべき条件が緩和されていく
$ U:{\bf Ab}\to{\bf Grp}
$ U=(A\mapsto A,a\mapsto a)
忘れるのは世の常だが、効力を発揮することがあるらしい