ストイックな知的生産
昔いた自動車関連部品作っている会社の業務はストイックな知的生産だった、ような気がするHiro Aki.icon
自動車メーカーへ、製造する部品が十分な性能を満たしていると証明するため、DRBFMを通して説明しなければならない 具体的には、収める部品を構成する全部品に対し、それぞれどのような不具合が想定されるか、その不具合にどう対応して問題が無いか根拠を示す
各部品で想定しうる不具合全てを列挙だからものすごい項目数になる
印刷したとしたら巻物みたいな長さになるのが普通
逆に購入する部品、回路基板で不具合が発生して、その部品を作っているサプライヤから不具合原因の説明を受けたことがあった
いわゆるなぜなぜ分析の流れで非常に分かりやすいまとめられ方してたが、隙の無い説明で今思うとストイック 思い出せる範囲での説明の流れ
何故回路が故障したのか、回路の中のこの場所でショートしたからです
何故ショートしたのか、不具合が発生した基板を回収してFIBで該当箇所の断面観察すると空隙があったからです
何故空隙があるのですか、製造時にホコリが入ったからです
何故ホコリ(以下まだ続くし思い出せるけど長いので略
そもそも自動車関連の部品は非常に高い信頼性を持っていること前提だから、部品作っているどの会社も業務内容が大体ストイックな知的生産になる気がする
サプライヤがメーカーに対し不具合が発生しない理由を説明するのに、不具合が発生しうる状況全てを想定して説明しなければならないから、結果的にストイックになる
発生確率の表現が百分率の%じゃなくてPPM、百万分率というのも高い信頼性前提な表現になっている気がする
自分のやった範囲なんて、まだマシなんだろうなとも思う
チップ抵抗とか、チップコンデンサとかは車載用は別グレード扱いで、それら素子から見ると自動車のエンジンルーム内は過酷な環境なのに耐えること前提、温度特性も良好、大量生産しても性能ばらつき微小が要求事項
そういった不利な状況だけど大丈夫だと説明する資料は、よりストイックさが求められる気がする
生々しい実例をありがとうございます suto3.icon