『市民議会の組み立て方ガイドブック』を読み解く会
2025/2/4から隔週で全4回
参加前に予習したことメモ
該当範囲が短いので英語の原文と邦訳文を比べながら読んでいる
たまにゴソっと文章が抜けるので注意が必要。これはbeta機能だからというよりDeepLの問題と思われるterang.icon いろいろ発見や疑問があって面白い。
Memberなのか参加者なのかParticipantなのか議員なのか
日本での無作為選出型の市民議会では「参加者」と言われることが一般的。
一方で英語では「member」。「member」は、国会議員も地方議会議員にも使われる。
participantではmemberと同じ立ち位置であるニュアンスが伝わらない。
では「member」を「議員」と訳すべきか?
今回の邦訳では「メンバー」とカタカナ表記を採用したと訳註解説。
分極化/二極化って、polarisationだから偏光ってことなのね。 この話、僕も気になってる。「正統性」が正しいという話はよく聞くが、そう思わない人に対して「こうだよ」と示せる根拠があると説明しやすくて良いのだけど知らないnishio.icon
「こうだよ」と示せる根拠があると説明しやすくて良い同感ですterang.icon
術語の一種なので別の意味での使用されたところでまったく構わないとも思うのだけど、別の記号が欲しくもある。反知性主義にも似た思いを抱く。
「legitimacyを正統性と訳すことが適切なのか、別の日本語がいいのではないか?」というのは傍に置くとして、正統性 legitimacy と正当性 rightness のように〈正しさ〉を意味する言葉が少なくとも2つ必要であるとは思うので、根拠とまで呼べるかわからないけど、「正統性でも正当性でもどっちも同じ〈正しさ〉ってことでいいじゃん」という人に対して「こうだよ」と示せることはできるかもしれないterang.icon
たとえ正当性のある決定なのだとしても正統性に欠くこともあるし、
正統性のある決定に正当性があるのだという主張もあるかもしれないし。
認識論的デモクラシー
「Strengthen integrity」は「誠実さを強化する」なんだなあ。一貫性のニュアンスなのね。
政治的有効性感覚: 自分が政治問題を理解し、影響を及ぼすことができるという信念
荒めだけど明日に向けての予習は一旦区切り。
第2回の範囲(第1章の前半)を読んでいる
integrity の訳になんとなく苦労しているような気配が伝わってくる。
基本的には「誠実性」と訳されているけど、たまに「健全性」となっている。「完全性」の訳になっている箇所もあった。
個人的な感覚としては、そういう訳は出てこないけど「一貫性」「潔白性」みたいな意味も同時についてまわる。
日本語だけで読んでいたらちょっと意味がズレて内容を読解してたかも。
テキストから思いっきり脱線する話だけど、integrityというと、authenticityとの比較の話が示唆的で面白いのを思い出した(たぶん、なんで他の意味が自分の頭の中でついてまわるんだろう?と思ったから)
世界遺産とか美術作品の修復にあたって、真正性 authenticity が仮に毀損しても、修復や長期保存にあたって、integrity の方が優先される正当性がある、みたいな話。 oversightって語も難しいなあ
見落とし、監視、監督、管理
邦訳では「モニタリング」
第3回の範囲(第1章の後半)を読んでいる
市民議会の選出プロセスはどのように行われるか?
市民議会の特徴
A defining feature of Citizens’ Assemblies is that Members are selected by lottery to be broadly representative of a community, which means everyone has an equal chance to represent and be represented in turn. 層化抽出(sortition)の基準
https://gyazo.com/dab38fba0f113eb0078c1f507d0853f1
マイノリティ層からは第1段階で参加への前向きな返答を得難いわけだけども、そこへの対策も具体的に記されていてすごいterang.icon
液体民主主義アプローチと組み合わせると効果的、と。なるほど。 第1段階における招待状に書くべきことの節で、「報酬は太字で記述しなければならない」と書かれていたり、封筒デザインにまで言及されている。具体的でよい。
第2段階 層化抽出のアルゴリズムを備えた(著者らが)信頼できるとするオンライン・プラットフォームがあり、無料で使えるらしい。挙げられているのは、
メンバーがプロセスに対してある程度の影響力を持ち、自分たちで専門家を選んだり、情報源を提案したりできるようにすることが重要です。
大事な記述だと思った。
領域にかかわらず、最近のファシリテーター養成で蔑ろにされがちなやつ。
その場の手順や内容は、決してファシリテーターによって決定するものではなく、参加者自身が検討し参加者たちの責任のもとに決定する(そしてファシリテーターはそれを支援する)と言うことが省略され過ぎている。という個人的な課題意識がある(市民議会のここでの注意書きとはそんなに関係ない話だけど)terang.icon
明日の最終回の範囲(第2章, 第3章)を読んでいる2025/3/17
前回の読書会では、専門家によるCitizens’ Assemblyへの疑義や本音が聞けてよかった
これいいな
Minority report
When three or more Members have a strong view about a recommendation but it does not gain the required support to be included in the final report, they are able to add a 'minority report' in the form of a short statement. There they explain the recommendation and why they felt it's important.