『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』
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家族、キャリア、自尊心、パートナー、幸福……。
心理士として15年、現代人の心の問題に向き合ってきた著者には、強く感じることがあります。
それは、投げかけられる悩みは多様だけれど、その根っこに「わたしはひとり」という感覚があること――。
夜の海をたよりない小舟で航海する。そんな人生の旅路をいくために、あなたの複雑な人生をスッパーンと分割し、見事に整理する「こころの補助線」を著者は差し出します。
さあ、自分を理解し、他者とつながるために、誰も知らないカウンセリングジャーニーへ、ようこそ。
【目次】
まえがき 小舟と海鳴り
1章 生き方は複数である 処方箋と補助線
2章 心は複数である 馬とジョッキー
3章 人生は複数である 働くことと愛すること
焚火を囲んで、なかがきを―なぜ心理士になったのか-
4章 つながりは複数である シェアとナイショ
5章 つながりは物語になる シェアとナイショII
6章 心の守り方は複数である スッキリとモヤモヤ
7章 幸福は複数である ポジティブとネガティブ、そして純粋と不純
あとがき 時間をかける
東畑開人
from 2024/11/09(meganii.iconの日記)
『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』を読んだ
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好きな本ですrashita.iconmeganii.icon
ユング心理学「夜の航海」からの、社会の「小舟化」、小舟と大船との比較、灯台の光、補助線ならぬ補助船といった遊び心、差し絵、本書を流れている統一感が心地良い。
本書の内容とは少し離れるが、中堅(中年)の生き方みたいな部分にも共鳴した。
(前略)すると、この社会の現実に即して、心について考えることができるようになります。それは、カウンセリングを平凡なものにします。若い頃に夢見たカッコいいカウンセリングは、 現実的なものへと妥協されていく。そのことに少しがっかりしてしまうのだけれど、平凡さにこそ人生を支える深い力があることを知っているのも中堅です。
/meganii/中年が見る夢は現実性とのすり合わせができていて意味がある のように、夢と現実のちょうどいいところ、いい意味での妥協案を目指すようになる。
「純粋なポジティブと不純なポジティブ」「純粋なネガティブと不純なネガティブ」の話があったが、以下の感情がまさに「ポジティブな不幸せを発見すること」と「ネガティブな幸せを発見すること」なんだろうなと感じた。いや「ネガティブな幸せを発見すること」ではなく「不純なポジティブ」かな。
あなたは生きてて何をやっている時が一番幸せですか?
個人的信条としてあまり激しい幸せを感じたくない
> 死ぬほど楽しい毎日なんて まっぴらゴメンだよ
> 暗い顔して 2人でいっしょに 雲でも見ていたい (フィッシュマンズ、「Daydream」)
フィッシュマンズ - DAYDREAM
こんな感じが望ましい