バグるトーキョー
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東京に住んでおよそ8年。ずっと自転車がほしかった。自転車があればいろんなところに遊びに行けると思っていた。ずっと欲しかった自転車を手に入れたのはCOVID-19と誕生日と超都内に引っ越せたのがきっかけだ。 そうして、いままで乗ったことのない高級な高速な自転車で恐る恐るトーキョーに乗り出した。 自転車に乗ると、電車で分断されていたトーキョーの街がグラデーションになってみえてくる。新宿、原宿、青山、六本木の位置関係。駅から行くにはアクセスのしづらい、まだよくわかっていないエリア。そういった場所が疎と密を繰り返しながら網目のようにつながっているのがトーキョーなんだとわかってくる。
たとえば新宿と原宿は隣にあるので、道さえわかれば家から10分でたどりつける。青山や外苑前もすぐ隣だ。電車で移動していたときとは全く違う質感のトーキョーがみえてきて、新しいマップがインストールされたみたいになった。ダンジョンを選択してファストトラベルのようにしか移動できなかったゲームが、大型アップデートでオープンワールドになったような感じだ。
いままでのトーキョーのイメージは、テーマパークの入り口みたいに、改札をくぐり抜けてあらわれる街にあって、新宿渋谷原宿と街のあらゆるところに人がいるイメージがあったが、自転車でトーキョーを駆け抜けると宇宙のヴォイドのようにガランとしたエリアがあらわれる。ひとが全然いなくて、いてもただぼーっとしているような、ここは俺の地元なのか?と錯覚するような。こんなにもひとが溢れているトーキョーに、こんなにも贅沢な空間があるなんてと感動する。 そんなガランとしたトーキョーはお金をかけてなんとも走りやすいように舗装された道路が多いのだ。スムースに高速に空気を感じながら気持ちよく移動をすると、トーキョーのあらゆるところに30分くらいで到着できる。
そんなのは僕が知っていたトーキョーではない。トーキョーがバグって出かけるという感覚が変わってしまった。まるで広い庭を散歩しているようだ。