マラルディの角度
英語:Malardi's angle
多面体論に多く現れる特定の角度。
$ 2\arctan \sqrt{2} = \arccos \frac{-1}{3} \approx 109.47{}^\circをさす。
多面体においては、正4面体の中心から2つの頂点を見る角度、正8面体の二面角、菱形12面体の面の鈍内角などがこれになることが知られる。 歴史的にはマラルディが蜂の巣の底の構造に見出したといわれる。
また、その補角$ \arccos \frac{1}{3} \approx 70.53{}^\circは正4面体の二面角として知られ、他にも、三角台塔の3角形と6角形の間の二面角などになっている。
これらが4次元多胞体において現れる“面白い”例はあるのだろうか。僕は未見。
正8面体柱の3角柱どうしの間の二胞角がマラルディの角度になる。しかし、これは正8面体の性質が平行移動によって引き継がれているだけであり、“つまらない”。 正4面体柱の3角柱どうしの間の二胞角がマラルディの角度の補角になる。しかし(ry むしろ4次元においては類似する別の角度を考えるほうがよいようで、
正5胞体の中心から2つの頂点を見る角度$ \arccos \frac{-1}{4} \approx 104.48{}^\circ、二胞角$ \arccos \frac{1}{4} \approx 75.52{}^\circが特筆に値する。(前者を4次元版のマラルディの角度などと呼ぶ人もいる。) これを用いて
正600胞体の二胞角が$ \arccos \frac{-1-3\sqrt{5}}{8} = \frac{1}{3}\pi + \arccos \frac{-1}{4} \approx 164.48{}^\circと表せる。 grand 600-cell {3, 3, 5/2} の二胞角(どこのこと?)が$ \arccos \frac{-1+3\sqrt{5}}{8} = \frac{2}{3}\pi - \arccos \frac{1}{4} \approx 44.48{}^\circと表せる。 という興味深い現象がある……らしい。
文献
3次元の例か、その単なる柱が多い。
5〜7次元の例も出てくるが、面白いか否か判断できず。6次元立方体の切頂類は何物だろう?
前川淳: 四次元的マラルディの角度, (2009) 平坦折り紙に偶然(?)現れる例