創造的破壊
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成功する組織は、自らの内に、自らが行っていることすべてについて体系的廃棄を組み込んでいる。数年ごとに、あらゆる工程、製品、手続き、方針について徹底して検討することを身につけている。 「もしこのことを行っていなかったとして、いまわかっていることすべてを知りつつ、なおかつ、これを始めるか」と問う。もし答えがノーであれば、「それではいま、何を行うべきか」と問う。 行っていたことについて再検討するのではなく、何か他のことを行う。
組織は今後ますます、成功してきた方針、行動、製品の延命を図るのではなく、計画的な廃棄を行う。しかし今日のところ、これを行っているのは日本のいくつかの大企業だけである。
あらゆる組織が、自らの構造の中に三つの体系的な活動を組み込まなければならない。
第一に、組織はその行うことすべてについて、絶えざる改善、日本語でいうカイゼンを行わなければならない。歴史上あらゆる芸術家が、カイゼンすなわち体系的かつ継続的な自己改善を行ってきた。しかし今日までのところ、日本だけが、おそらく禅の影響だろうが、企業組織の日常の活動と仕事をカイゼンしている。カイゼンの目的は、製品やサービスを改善して二、三年後にはまったく新しい製品やサービスにしてしまうことである。 第二に、組織は展開、すなわちすでに成功しているものについて新たな展開を行わなければならない。ここでも日本企業が最も成功している。日本の家電メーカーが、アメリカの発明たるテープレコーダーをもとに、いかにして次から次へと新製品を開発していったかを見ればよい。
第三に、組織はイノベーションを行わなければならない。イノベーションは、体系的なプロセスとして組織化することができる。それは、そのように組織化すべきものである。