デジタル公共財を持続可能な形で運営する方法
public.icon
from ソーシャルグラフ(?)のアイデアなど
きっかけ
Civichatを作っていて、デジタル公共財に対する冷遇について深く考えた
シンプルな話、toCに対してはユーザー数が伸びていて刺さっているのに、toGからの協力がないと持続可能性がないという問題
これはいろんなレイヤーでの反省があるが、「公共財を取り扱うマーケットをデザインする」ことに興味を持った
Civichat撤退にあたり
Govtechのプロダクトは受託かtoBの焼き増しでしかなく、スタートアップっぽいものなど存在できないのでは
極端な話、きちんと市民に役に立っている公共財を見つけて評価することができれば、あとはそこに対して助成金を分配するだけなので、市民の嗜好を示すことができる仕組みがあればいいのでは?tkgshn.icon
あわよくば、Civichatは政府からの支援を得ながら作れたんじゃないかと思っている
どうすればいいか
「価値ある公共財(Public Goods)に対して助成金の分配をすることによって、パレート最適を目指す」「公共財を作る運動をより促進する」
ミクロ経済学のセオリーで、公共財に対しては政府(などのエコシステムを発展させることで利益を享受できる人たち)が助成金(Grants)を出さないと、持続可能にならないというのがある
ここでいう政府は拡大解釈可能な概念tkgshn.icon
公共財を育てることへのイニシアチブがEFだけなのが問題 by Kei
GAFAが公共を作り上げる
民間企業が行政府の機能を代替する
Ethereum(L1)はプラットフォームに徹し、ArbitrumなどのL2で動かす
これは自動徴税機であるpublic chainはほぼ政府という文脈
public chainがエコシステムを発展させる際にプロジェクトに分配するGrantsの割合最適化
公共財: 各個人が共同で消費し、対価を支払わない人を排除できず、ある人の消費によって他の人の消費が妨げられない財・サービス
国が整備する社会保障制度は適切なタイミングで利用されることによって、エコシステム自体を発展させられる。ほとんど投資に近い
どのようにして「役に立っている公共財」を特定するか
基本的にRetroactive Public Goods Funding(RetroPGF)に大きな思想の影響を受けているtkgshn.icon*3
何が役に立つかよりも、何が役に立ったかについて合意する方が簡単
実際にやってみた例はVitalikのメモを参照
Review of Optimism retro funding round 1
RetroPGF Experiment #1: $1 Million Dollars for Public Goods
Ethereumのレイヤー2であるOptimistic Rollupを採用したpublic chainである「Optimism」での実験
デジタル公共財に対しての助成金分配がトータル1億円。これはマッチングプールにためられることになる
それを横断的にやっているのが、Gitcoinにあたる
必読: Gitcoin Grants – Quadratic Funding for the World
https://gyazo.com/4fb9164fa4aa59ea7aa46a397f69c0ca
Gitcoinが採用しているQuadratic Funding(QF)
前提として、ラディカルマーケットを読んでおくと理解が深まるかも?
難しいので、fladdictが巨人の肩に乗らずQVを思いついた時のツイートを参照してみると分かるかも?
Quadratic Voting(略すとQV、Plural Votingと呼ばれるケースも、日本語だと二次投票)がまずあって、それを資金分配に活かしたのがQF
QV: 一人一票ではなく、クレジットを消費して特定期間内に何回でも、どの投票フェーズでも投票できる方式。同じ議案に複数票を投じること(二次の投票)が可能で、そのために必要なクレジットは、1票なら1、2票なら4、3票なら9というように2乗で増加する。つまり、票をクレジットで買うことができるという仕組みになっている
参照: 議員や政策はどう選ぶ?民意を反映する意思決定のデザイン
なぜQuadratic Votingは二乗なのか
Plural Voting - RadicalxChange
行政府自らが公共財に割いていいと思っている助成額をマッチングプールに入れる
それをQFの方程式に基づいて分配
概要はWTF is Quadratic Funding?を、詳細はA Flexible Design for Funding Public Goodsを参照
https://gyazo.com/720412286e6fa87bb018167beb1e1fed
https://gyazo.com/eff723f839448437a4dbc73b719b948b
QFの脆弱性
シビル攻撃されるとマッチングプールから資金が無限に流出してしまう
How to Attack and Defend Quadratic Funding
ここら辺はGitcoinのGrants分配の研究を行うGrants Intelligence Agencyがまとめている
a few attack vectors we are watching
- sybil/collusion to push up QF matching- one grant => multiple grant sybil
- ppl spamming to push up their prominence in grant APIs
- ppl spamming to create "ghost" transactions which later fail.
@GitcoinDisputesGitcoinDisputes.icon March 21, 2021
ひとり1IDが達成できたとしても結託に弱い
クリプト上でひとり1IDを特定するのは難しいけど、IdenaとかBright IDとか、Proof of Humanityとかでなんとか頑張ってる
実質、GitcoinがDIDアグリゲーターを担おうとしているのは分かる
Gitcoin Passportとかもその動きかな?
暫定の解決策
Gitcoinのシビル攻撃対策とBlockScienceのコラボレーション
ソーシャルグラフやSoulboundトークンをベースに多次元ID(plural id)を構築し、Quadratic Fundingの脅威である"結託"を防ぐ
SBTによるクラスター分析をする
それでQF係数を調節する
今やってるのは、とりあえずRadicalxChangeのRxC Voiceの翻訳
Voiceを起動するメモ