ボスコム谷の殺人事件で容疑者は無罪を主張
TDL.icon ヘレフォード州ロス近郊のボスコム谷で起った殺人事件で、被害者の息子ジェームズ・マッカーシーは当初、自白ともとられる供述をしていたが、その後無罪を主張していることがわかった。ジェームズは逮捕時に地元警察の刑事にたいして、「驚きもしないし、当然の報いだ」と話していた。この証言も陪審員の評決の判断となったようだが、その後は無罪を主張している。 『事件の三日前からブリストルに行っており、3日の朝に戻ってきたばかりでした。女中の話では、父チャールズは馬車でロスへ出かけたとのことでしたが、しばらくして馬車の音がしたため父が帰ってきたのがわかりました。父はどこかへ急ぎ足で行くのが見えました。私はウサギでも追おうと銃をもってボスコム池の方へ向かいました。池の向こう側にはウサギが多くいるのです。途中で猟場管理人のクラウダー氏に出会いましたが、父の姿は見ていません。池の手前で父が呼ぶのが聞こえました。名前を呼ばれたわけではなく、【クーイー!】と呼ぶ合図があったのです。急いで池へ駆けていくと父がいました。父は驚くように私をみて、こんなところで何をしているんだと叫びました。少し話をしていると口論となり手をあげそうになりましたが、父が興奮しているのがわかり、これは何を言ってもだめだと思い、農場へ戻ることにしました。ところが、すぐに叫び声が聞こえてきたので、大急ぎで戻ると父が頭に怪我を負って倒れていました。私は銃を放り投げて父を抱え上げましたが、すぐに意識がなくなったようです。私は大急ぎで管理人小屋へ助けを求めに行きました。父は意識を失う前に、ねずみ(a rat)がどうのと言っていましたが意味はわかりません。また、父が倒れていた近くにグレーの上着のようなものが見たのですが、すぐに消えてしまいました。また、父との口論の内容に関しては、この悲劇とは無関係の事です。』 以上の証言だが、ブリストルに出かけていて戻っていることを知らかったなどの矛盾や父親との口論の内容も不明な点も多く、状況証拠も揃っていることから、被疑者の有罪の判決は動かしがたいと思われる。
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