文化人類学
文化人類学
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文化人類学は、過去や現在の人間社会を対象に、文化を中心に研究する学問で、主な方法はフィールドワークで、コミュニティが調査対象となる。物理学的・情報科学的・歴史学的な物理学、データサイエンスの手法は基本的に用いない。文化人類学の広義、人類学は人間のことなら大体対象になる。文化人類学は旅人の学問とも呼ばれ、自分と違う人々、遠いところのものや生活、珍しいものなど人間性の希少性にある。そして、非常に広義の範囲で流行ではなく、例外や少数派に焦点を打つ。
マツタケ 不確定な時代を生きる術松茸の栽培から不安定な人類社会の生活を考察するなど、幅広い学問分野。
it may be in the cultural particularities of people—in their oddities—that some of the most instructive revelations of what it is to be generically human are to be found(人々の文化的な特性——その独特さの中に——こそ、人間とは何であるかという最も示唆に富む洞察が見いだされるのかもしれない。) Geertz, Clifford. The Interpretation of Cultures (p. 43). HarperCollins Publishers.
文化人類学者クリフォード・ギアツ「人間の普遍性は多様性の中にこそ見える」という彼の思想
アメリカ合衆国 は人類学が英語でanthropology
、人間についての総合的な研究を行う。語源はギリシア語でanthropos(人間)という意味。人類学には4つの分野が大きくあり、自然(形質)人類学(physical anthropology)は、人間の身体 で医学と生物学を研究する。先史考古学は(prehistoric archeology)は遺跡の発掘で地質学・古生物学との関係する。言語人類学(linguistic anthropology)は言語の研究で理化学の側面が強い。文化人類学cultural anthropologyは社会と文化の研究を行う。総評すると分離の垣根が薄い学問群になる。
英国に於ける文化人類学は米国の分野区分と似ていて、Cultural anthropology は Social anthropology社会人類学で社会構造の分析に集中する傾向であって、 婚姻・家族・親族など集団のつながりのあり方。他方、ドイツとオーストリアに於いて、米国と英国と大きく異なり
Anthropologie(ドイツ語) で人類学 は 自然(形質)形質でEthnologie(ドイツ語) 、 民族学(米国の文化人類学に近い)。また、ギリシア語 ethnos 民族で人文科学。このような国によって定義が異なる。
戦前
ドイツ語文化圏からの影響
➡ 明治以来 ▶ 「理科系」と「文科系」
社会・文化の研究 ▶ 民族学
身体の研究 ▶ 人類学
戦後
米国の影響
➡ 「民族学」という用語から「文化人類学」に少しずつ変わった
➡ 「社会人類学」も使用
➡ 「人間の総合研究」のニュアンスが強い
(祖父江孝男 1979)
参考:
祖父江孝男(1979/2013)『文化人類学入門』中央公論社.
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もちろん。これら3枚の画像の内容をテキスト化すると、以下の通りです👇
英国とドイツとオーストリア
英国
米国の分野区分と似ている
Cultural anthropology ▶ Social anthropology
社会人類学
社会構造の分析に集中する傾向
➡ 婚姻・家族・親族など集団のつながりのあり方
ドイツとオーストリア
米国と英国と大きく異なる
Anthropologie(ドイツ語) → 人類学 → 自然(形質)人類学
➡ 生物学
Ethnologie(ドイツ語) → 民族学(米国の文化人類学に近い)
ギリシア語 ethnos 民族
➡ 人文科学
民族学と民俗学
柳田國男(1875–1962)
農商務省官僚
農業政策 → 「地主の立場」ではなく「農民・小作人の立場」→「常民」
生活や風俗習慣
「民俗学」
英語 folk
ドイツ語 volk
➡ 民間伝承への関心
柳田 → 「常民」
✅ 1934 「日本民族学会」創設
✅ 2004 「日本文化人類学会」と改称
出典:Wikipedia「柳田國男」
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kunio_Yanagita.jpg
(参照:2024-08-26)
まとめ
✅ 米国の「文化人類学」で文化に集中し、英国の「社会人類学」では社会構造が注目される。
✅ 英語文化圏は「人類学」を総合的な研究と見る傾向が強く、自然科学と人文科学の相互関連も強い。
✅ ドイツ語文化圏では人文系と理科系の区別が強く、「民族学」は人文系におかれており、20世紀初頭にはこの区分が日本に大きく影響した。
戦後の日本において文化人類学の命名については米国の影響から「民族学」という用語が「文化人類学」に少しずつ変わり、「社会人類学」という言葉も使用された
戦後の日本では米国の影響が強く、それに伴い「民族学」という用語が「文化人類学」に少しずつ変わっていった。さらに、「社会人類学」という言葉も使用されるようになり、文化人類学は「人間の総合研究」のニュアンスが強まった。
文化人類学は現場を言葉にして保存する。
人類学者のルーシー・サッチマンはエスノグラフィーを用いて、コピー機の使い方を研究し、製品開発と改善をした。