デライト作者による個人知的管理serviceの考察
そのうち精読して見ようかなtakker.icon
動機が不純
一般的な個人知識管理サービス(Evernote、OneNote、Google Keep、Notion、WorkFlowy、Dynalist、Roam Research、Scrapbox 等々)では、1万ページあたりで限界に近付きますが、デライトは100万どころか1,000万ページ以上の情報を扱えるように設計されています。
実際、他のサービスからデライトに来て頂いた方の投稿を見ていると想定よりずっと頻度が低いです。重要な情報を見極めて投稿しているという感じでしょうか。ただ、デライトは文字通り頭に思い浮かんだことを(規約内で)なんでも書いてもらえるように設計しています。この感覚の差が壁かもしれません。
そういう意味では正直、「デライトってもしかして超暇人じゃないと使う意義を見出せないのか?!」という不安をいまさら抱き始めている開発者がいます(笑)。実際、デライト開発者は日本で一二を争えるくらいの暇人でした……。この話の続きは夜にでも。
さて、デライトになぜ削除の機能が無いのかという話に戻りますが、簡単に言うと「意外と必要無かった」のです。そもそも、思い浮かんだことを重要性・必要性にかかわらず何でも書いていけることを想定したシステムは、頻繁に削除されるような設計ではいけない、とも言えます。
デライトは、ほとんど人間が自覚出来ない量の情報を扱うことを想定しています。デライトを使い込むと、「不要な情報かどうか」を判断する時間の方がもったいなく感じます。ひたすら書いていれば、不要な情報は勝手に埋もれていきます。
例えば、残しておきたくない情報を書いてしまったというようなことも考えられますが、その場合は空欄等にして上書きすれば隠せます。これは開発者自身にとっても発見だったのですが、「削除」という当たり前の機能は、従来のシステムの「狭さ」から要請されたものだったのだと思います。
デライトはいわば「無限に広い部屋」です。それも、必要なものは近くに、不要なものは遠くに、自動的に移動します。こういう部屋に住んでいると、「ごみ箱」の必要は感じないわけです。
ただこれは優先順位の問題で、デライトにも削除機能の実装予定はあります。今のデザインに調和するような、すっきりした配置等が難しいという独自の課題がある上に必要性の低さで実現していないという現状です。メニューから「削除」を選ぶ、ようなよくある UI は避けたいんですね。
少し前、サジェストは無いのか、というご感想を頂いたこともあります。これもデライト特有の課題があり実現していません。ここでも大きな理由に情報が多過ぎるという問題があります。要するに、サジェスト表示が単なるノイズになる可能性が高いということです。
デライトが他の類似サービスと異なる大きな点に「ページ名は重複しても空欄でもいい」というのがあります。これは大きな利点でもありますが、サジェストとの相性が非常に悪いです。名前に加え番号・内容・入れ子関係、全てが無いと判別しにくいので、結局普通の一覧並みの情報が必要になります。
デライトを使い始めた方が戸惑うもう一つ大きな点に「全文検索が無い」というのもあります。もう言うまでもないですが、やはり引っかかる情報が雑多過ぎるという問題があり初期の実装で廃止し、結果的に名前のみが検索対象になりました。
デライトは思い浮かんだことを何でも書けて、それらを自由自在に紐付けることが出来ます。この性質を利用して名前だけを検索対象とすることで、検索の動線を手作り出来るようになりました。これを認知に基く検索という意味で「全知検索」と呼んでいます。
削除機能だけでなく一般的なサービスにある全文検索・サジェストがデライトに無い理由は、予め極力絞り込みしておかないと扱えないくらいの情報を扱おうとしていたから、ということになります。
要するにデライトは、一般的なサービスでいう「廃人」並みに投稿する人を標準的なユーザー像として想定してしまっていたのだと思います。実際のユーザーはやはりポツポツとしか投稿しない、という所に大きなズレを感じます。いまさら頭の痛い話ですが、やはり開発者が暇人過ぎたせいでしょうか……。
恥ずかしながら今 RT したツイートで思い出したのですが、開発者は超絶暇人だった上に実名・顔出しでよほどのこと以外は何でも公に書くという人間でした。自覚以上に開発者はアレな人だったようです。
こんなデライトですが、どんなにゴミのような情報があっても問題ない、という特性が功を奏したな、と思うこともありました。それは「荒らし」に強いということです。いわゆる荒らし程度ではデライトは荒れません。
幸い、これまでデライトに来て頂いた方々に度を越した迷惑行為はみられません。そういう意味では、皆様ありがたい利用者様です。ただ、悪戯書き程度のことはたまにあります。それも無いよりはいいかと思っているのですが、荒らしには発展しにくいというか、荒らし甲斐ないだろうな、と感じます。
そもそもゴミが気にならないシステムにゴミを投げても面白くない、ということもあるでしょうが、今のデライト利用者は開発者を筆頭に尋常ではない人々です。少なくとも開発者は、昔の掲示板でいうところの「頭のおかしい人」の極端な例です。ありきたりな荒らしは「普通の人」に見えてしまうのです。
さて、前回のスレッドに続いてまた妙に長いスレッドになってしまいました。連日はきついので次回も一日休んで明後日あたりになると思いますが、こちらの疑問に対する形で、デライトと一般的な個人知識管理サービスとの設計の違いなどについて書いてみたいと思います。https://t.co/tVUp2Ljio7 最初の方で書いた「(一般的なサービスでは)1万ページあたりで限界に近付く」がきっかけでデライトを知って頂いた方、お越し頂いた方が多くいました。ありがとうございます。
また、不快にさせてしまった方には申し訳ございません。開発者は炎上商法が何よりも嫌いな人間なので、そういうつもりはなかったのですが、主張の真意については次回のスレッドでご理解頂けるよう努力します。
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