資本とイデオロギー
資本とイデオロギー
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世界的ベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する超大作『資本とイデオロギー』。1100ページを超える本書から、著者による導入部分「はじめに」の一部を先行してお届けします。
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ベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する超大作、ついに邦訳。《財産主義》という視点から、三機能社会、奴隷制社会、フランス革命、植民地支配から現代のハイパー資本主義まで、巨大なスケールで世界史をたどり、イデオロギーと格差の関係を明らかにする。さらには《バラモン左翼》と《商人右翼》の連合に囚われつつある現代民主政治を分析。労働者の企業統治参画と累進年次資産税など、新たな公正な経済システムを提示する。 バラモン左翼と商人右翼の連合
Brahmins
2《主に米国で用いられる》 教養の高い人,インテリ 《特に New England の旧家出の人をいう》. Boston Brahmins ボストンのインテリ連.
パース親子がそれ
Merchants
Business nationalists are conservative business and industrial leaders who favor a protectionist trade policy and an isolationist foreign policy. Locked in a power struggle with corporate international interests, business nationalists often use populist rhetoric and anti-elitist rhetoric to build a broader base of support in the middle class and working class.
ビジネスナショナリストは、保護貿易主義の貿易政策と孤立主義の外交政策を支持する保守的なビジネスと産業のリーダーです。 企業の国際的利益との権力闘争に閉じ込められたビジネスナショナリストは、しばしばポピュリストのレトリックと反エリート主義のレトリックを使用して、中産階級と労働者階級の幅広い支持基盤を構築します。 https://gyazo.com/7ccf4533a1a4e64b9cd82b4e2aac689c
目次
序文と謝辞
はじめに
イデオロギーとは何か
境界と財産
イデオロギーを本気で考える
集合的な学習と社会科学
本書で使った情報源――各種の格差とイデオロギー
人間の進歩、格差の復活、世界の多様性
格差の復活――最初の方向性
極端な格差の正当化について
歴史から学ぶ――20世紀の教訓
イデオロギーの凍結と新しい教育格差
複数エリートの復活と平等主義連合形成の困難
所有、教育、移民の正義を再考する
世界の多様性――「長期持続」の不可欠性
自然言語と数学言語の相補性について
本書の構成
第I部 歴史上の格差レジーム
第1章 三層社会――三機能的格差
三層の論理――聖職者、貴族、平民
三層社会と現代国家形成
三層社会の地位低下――革命と植民地化のはざまで
今日の三層社会
三層社会における格差の正当化
分断されるエリート、連帯する人々?
三層社会と国家形成――ヨーロッパ、インド、中国、イラン
第2章 ヨーロッパの身分社会――権力と財産
身分の社会――権力バランス?
三機能身分、自由労働の促進とヨーロッパの運命
聖職者と貴族の規模とリソース――フランスの場合
アンシャン・レジーム末期に縮小する貴族と聖職者
貴族の減少はどう説明できる?
貴族――革命と王政復古の間の財産階級
財産所有組織としてのキリスト教教会
豊かな教会vs豊かな世帯と相続の実際
教会財産——経済法と資本主義の基盤?
第3章 所有権社会の発明
1789年の「大区分」と現代財産の発明
強制労役、雑務、地代――封建主義から財産主義へ
ロッドとアンシャン・レジーム下での永続権の重ね合わせ
財産の規模を継続することなく、新しい基盤に乗せることは可能か?
知識、権力、解放――三層社会の転換
革命、中央集権国家、司法についての学習
財産主義イデオロギー――解放と神聖化とのはざまで
所有権社会における格差の正当化
第4章 所有権社会――フランスの場合
フランス革命と所有権社会の発達
格差を減らす――「世襲中産階級」の発明
格差の首都パリ――文学から相続文書館まで
ポートフォリオ分散化と財産の形態
1880-1914年のフランス税制――静謐な蓄積
「四人の老婦人」税、資本課税と所得税
普通選挙、新たな知識、戦争
革命、フランス、平等性
資本主義――工業化時代の財産主義
第5章 所有権社会――ヨーロッパの軌跡
聖職者と貴族の規模――ヨーロッパの多様性
戦士貴族、所有者貴族
イギリスと三層 - 財産主義の漸進主義
イギリス貴族は財産貴族
古典小説での所有権社会
バークの貴族名鑑――准男爵から石油億万長者まで
上院、財産主義秩序の守護者
累進課税をめぐる戦いと上院の凋落
アイルランド――三機能、財産主義、植民地主義イデオロギーのはざまで
スウェーデンと四身分社会の憲法化
一人百票――スウェーデンにおけるハイパー財産別民主主義(1865-1911年)
株主社会、財産別投票権――お金の力の限界とは?
19世紀所有権社会の不平等性
所有権社会の三つの課題
第II部 奴隷社会・植民地社会
第6章 奴隷社会――極端な格差
奴隷のいる社会――奴隷社会
イギリス――奴隷廃止の補償、1833-1843年
奴隷所有者補償の財産主義的な正当化
フランス――1794-1848年の二重の廃止
ハイチ――奴隷財産の公債化
1848年奴隷制廃止――補償、規律工房、年季奉公労働者
強制労働、財産主義神聖化、賠償金問題
アメリカ合衆国――戦争による奴隷制廃止、1860-1865年
米国における段階的な奴隷制廃止や補償の不可能性について
奴隷制の財産主義的な正当化と社会的な正当化
「再建」と米国の社会自国主義の誕生
ブラジル――帝国と人種混合による廃止、1888年
ロシア――弱い国家での農奴制廃止、1861年
第7章 植民地社会――多様性と支配
ヨーロッパ植民地主義の二つの時代
入植者植民地、入植なしの植民地
奴隷と植民地社会――極度の格差
財産と所得の最大限の格差
植民者のための植民地化――植民地予算
歴史的に見た奴隷と植民地収奪
植民地収奪の残虐性から「穏やかな商業」の幻想へ
他の国に所有されるつらさ
宗主国の合法性、植民地の合法性
仏領植民地における合法的な強制労働、1912-1946年
晩期植民地主義――南アフリカのアパルトヘイト、1948-1994年
植民地主義と民主連邦主義の問題
フランスアフリカ連合からマリ連邦へ
第8章 三層社会と植民地主義――インドの場合
インドの発明――手始めに
インドと四層身分――バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラ
バラモン的秩序、菜食主義、父権主義
ジャーティの多文化的な豊富さと、ヴァルナの四層身分
ヒンドゥー封建主義、国家建設、カーストの変容
インドにおける国家構築の特異性
インドの発見とイベリア半島のイスラム包囲
軍備による支配、知識による支配
インドにおけるイギリスの植民地国勢調査、1871-1941年
インドとヨーロッパの三機能社会における社会集団を数える
文字の読める地主、行政官、社会統制
植民地インドとカーストの再硬直化
独立インド、過去からの地位格差に直面
インドにおけるアファーマティブ・アクションの成功と限界
財産の格差と地位の格差
社会およびジェンダー枠とその変容の条件
第9章 三層社会と植民地主義――ユーラシアの道筋
植民地主義、軍事支配、西洋の反映
国家が夜警もできないほど小さかった頃
国家間の競争と共同のイノベーション――ヨーロッパの発明
スミス的な中国とヨーロッパのアヘン密輸人
保護主義と重商主義――「大分岐」の起源
日本――三層社会の近代化加速
部落民、不可触民、ロマの社会統合
三機能社会と中国国家の構築
中国帝国試験――士大夫、地主、戦士
中国の反乱や失われた機会
立憲聖職者共和国の事例――イラン
シーア派聖職者の反植民地主義正統性
平等主義的なシーア派共和国、スンナ派石油王朝――言説と現実
イスラム諸国の平等、格差、ザカート
財産主義と植民地主義――格差のグローバル化
第III部 20世紀の大転換
第10章 所有権社会の危機
20世紀前半の「大転換」を再考する
格差と私有財産の崩壊(1914-1945年)
ヨーロッパ財産権主義から米国新財産権主義へ
所有権社会の終焉――賃金格差の安定性
私有財産減少の分析(1914-1950年)
収用、国有化措置、「混合経済」
民間貯蓄、公的債務、インフレ
過去の清算、正義の強化――私有財産に対する特別税
富の減少から永続的分散へ――累進税の役割
現代累進税制の英米起源について
税制国家と社会国家の隆盛
納税の多様性と財務累進性の役割について
所有権社会、累進課税、第一次世界大戦
財産主義崩壊における社会イデオロギー闘争の役割について
社会に組み込まれた市場の必要性について
帝国競争とヨーロッパ均衡の崩壊
異常な軍事補償から新たな軍事秩序へ
所有権社会の崩壊と国民国家の超克
民主社会主義とオルド自由主義の間にある連邦連合
第11章 社会民主主義社会――不完全な平等
ヨーロッパ社会民主主義の多様性について
米国のニューディール政策――安売り社会民主主義
社会民主主義社会の限界について
公的財産、社会財産、一時的財産権
権限共有、社会所有の制度化――未完の歴史
ドイツ共同経営の成功と限界
ゲルマン北欧型共同経営の普及の遅れについて
社会党、労働党、社会民主党――興味深い軌跡
ヨーロッパ共同経営指令から「2x + y」提案へ
共同経営を超えて――社会所有と権限分割の再考
協同組合と自己管理――資本、権力、議決権
社会民主主義、教育、そして米国優位の終わり
米国――初等、中等教育の初期先進国
1980年以降取り残された米国下層階級
法、税制、教育制度の一次格差への影響について
高等教育と教育、社会の新たな階層化
お金で大学に入れるか?
欧米での教育アクセスの格差
教育の平等、近代的成長の根源
社会民主主義と公正な課税――実現しなかった機会
社会民主主義と資本主義および国民国家の超越
資本フローのグローバル化と自由化の再考
米国、ヨーロッパ、資産税――議論は続く
累進資産税、あるいは恒久的な農地改革
18世紀からの惰性で続く資産税
富への課税の集団学習と将来的な見通し
交差する軌跡と富裕税
第12章 共産主義社会とポスト共産主義社会
財産理論なき権力掌握は可能か?
「マルクス・レーニン主義」政権の存続について
共産主義と反植民地主義解放の浮沈
共産主義と正統な差の問題
分権的な社会組織における私有財産の役割について
ポスト共産主義ロシア――オリガルヒ、泥棒政治への転換
オフショア資産が総適法金融資産を超える時
「ショック療法」とロシア泥棒政治の起源
独裁混合経済としての中国
負の公有財産、私有財産の全能性
負債の抱え込み、財政公正性の放棄
中国の格差容認の限界について
中国の格差の不透明性
中国――共産主義と金権政治のはざまで
文化革命が格差認識に与えた影響
中国モデルと議会制民主主義の超越について
選挙制民主主義、境界、財産
一党制国家と党管理民主主義の改革可能性
東ヨーロッパ――ポスト共産主義への幻滅の実験室
EUにおける市場原理への「同化」について
ポスト共産主義と社会排外主義の罠
第13章 ハイパー資本主義――現代性と懐古主義のはざまで
21世紀の格差の形
中東――グローバル格差の頂点
格差測定と民主主義的透明性の問題
税務透明性の欠如について
社会的公正、気候的公正
国家間と個人間の炭素排出の格差について
格差の測定と政府の責任放棄について
不透明性の克服――公的金融登録
情報時代における公式統計の劣化について
新財産主義、富の不透明、税制競争
ハイパー集中化した富の持続について
21世紀における家父長制の持続について
貧困国の貧窮と貿易自由化について
貨幣創造は私たちを救ってくれるのか?
新財産主義と新金融体制
新所有権主義とオルド自由主義――ハイエクからEUまで
能力主義と新所有権主義の創案
慈善幻想から億万長者の神聖化へ
第IV部 政治対立の次元再考
第14章 境界と財産――平等性の構築
左派と右派の脱構築――社会政治対立の次元
1945年以来の左派得票――労働者政党から高等教育者の政党へ
選挙および政治イデオロギー的分断の世界的研究に向けて
民族人種分断と社会自国主義の研究を国際化する
政党の刷新、有権者参加の低下
恵まれない階級の投票率低下について
教育分断の逆転について――教育の高い党の発明
教育分断の逆転の堅牢性について
教育分断の逆転、職業分断の再定義
左派政党と恵まれない階級――離縁の分析
「バラモン左翼」と社会教育的な正義の問題
教育の公正に関する新しい規範の必要性について
左派と右派から見た財産について
左派と自営業者――疑念の20世紀年代記
「バラモン左翼」と「商人右翼」の強みと弱み
フランスにおけるアイデンティティと宗教的な分断の復活
自国主義と大いなる政治宗教的な蜂起
宗教的な分断、出自を巡る分断――差別の罠
境界と財産――四区分された有権者たち
有権者の四区分の不安定さについて
黄色いベスト運動、炭素、富裕税――フランスにおける社会自国主義の罠
ヨーロッパと恵まれない階級――決別の根拠
ヨーロッパが新財産主義の道具にされている点について
第15章 バラモン左翼――欧米での新たな分断
米国政党制の変容
民主党はグローバル化勝者の政党になるか?
米国における人種対立の政治利用について
「生活保護の女王」と「人種枠」――共和党の南部戦略
有権者の分断とアイデンティティ対立――大西洋の両側での見方
アイデンティティの流動性と固定分類の危険性
民主党、「バラモン左翼」、人種問題
失われた機会と不完全な展開――レーガンからサンダースへ
イギリス政党制の変容
イギリスにおける「バラモン左翼」と「商人右翼」について
ポスト植民地アイデンティティ分断の台頭
イギリスにおける移民の政治問題化、パウエルからUKIPまで
EUと恵まれない階級の乖離
第16章 社会自国主義――ポスト植民地的なアイデンティティ主義の罠
労働者の政党から高等教育者の政党へ――類似性と変種
戦後期の左派/右派政党制崩壊を再考する
ポスト共産主義東欧における社会自国主義の台頭
社会自国主義の台頭――イタリアの場合
社会自国主義の罠とヨーロッパへの幻滅
民主党――成功した社会自国主義?
国際競争と市場自国主義イデオロギー
市場自国主義イデオロギーとその拡散
ヨーロッパにおける社会連邦主義の可能性について
国家を超える民主的空間の構築について
ヨーロッパ議会の独立主権を各国議会の独立主権から構築
信頼の再構築と、共通の公正規範を作り出す
永続的なヨーロッパの公的債務危機を終わらせる
負債の歴史に頼り、新たな解決策を探す
ヨーロッパの社会連邦主義的変革に向けた政治的条件
分離主義の罠とカタロニアシンドローム
イデオロギー的不協和、税制ダンピング、小国シンドローム
社会地元主義の罠と超国民国家の構築
インドの政党構築と分断
インドの政治分断――階級、カースト、宗教
インドにおける階級主義的分断の台頭困難について
恵まれない階級の共通の運命についての認識
階級分断、アイデンティティ分断――インドにおける社会自国主義の罠
インドにおける階級主義分断と再分配の未来――交差する影響力
ブラジルにおける格差の不十分な政治問題化
アイデンティティと階級分断――境界と財産
ポピュリズム論争の袋小路と落とし穴
第17章 21世紀の参加型社会主義の要素
参加と熟議としての公正
資本主義と私有財産の超越
企業内での権限共有――実験的な戦略
累進資産税と資本の循環
資産の拡散とユニバーサル資本贈与
累進課税の三面構造――資産、相続、所得
累進課税への復帰と永続的土地改革
社会的・一時的所有権に向けて
一つの国における富の透明性
憲法に公正な税制を記述する
ベーシックインカムと公正賃金――累進所得税の役割
炭素排出の累進課税について
教育的公正の規範構築について
教育の偽善を糾弾し、透明性を促進
公正な民主主義――民主的平等性バウチャー
参加平等民主主義を目指して
公正な国境――社会連邦主義をグローバルな規模で考え直す
超国家的な公正と正義に向けて
協力と撤退の狭間で――超国家的格差レジームの発達
結論
イデオロギーと公正・正義探究の闘争としての歴史
視線の「脱西洋化」の限界について
社会科学の、市民・政治的役割について
索引/原注/図表一覧