ユリシーズ
ユリシーズ
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ユリシーズ
物語は冴えない中年の広告取りレオポルド・ブルームを中心に、ダブリンのある一日(1904年6月16日)を多種多様な文体を使って詳細に記録している
構成
『ユリシーズ』の物語は18の章(挿話)に分かれており、『リトル・レビュー』連載時には各挿話に『オデュッセイア』との対応を示唆する章題が付けられていた(刊本では除かれている)。ジョイスは友人や批評家のために、『ユリシーズ』と『オデュッセイア』との構造的な対応を示す計画表(スキーマ)を作成しており、これには『オデュセイア』との対応関係だけでなく、各挿話がそれぞれ担っている象徴、学芸の分野、基調とする色彩、対応する人体の器官といったものが図示されている。「計画表」にはいくつかの異なったバージョンがあるが、差異は副次的なもので大きな食い違いはない ジョン・クィンへの書簡(1920年)のなかで、『ユリシーズ』の構成が『オデュッセイア』の伝統的な三部分割に対応していることを示している
作家志望の青年スティーブン・ディーダラスがその中心となる最初の三挿話は、父オデュッセウスの不在に悩むテレマコスの苦悩を描く『オデュッセイア』前半部(第一部「テレマキア」)に対応する
第一部「テレマキア」
本作の中心人物である中年の広告取りレオポルド・ブルームが登場しダブリン市内のあちこちを動き回る第四挿話から第十五挿話までが、オデュッセウスの冒険を描く『オデュッセイア』の基幹部(第二部「オデュッセイア」)に対応する
第二部「オデュッセイア」
そして、ブルームがスティーブンを連れて妻モリーの元に戻って来る最後の三挿話が、オデュッセウスの帰還を扱う『オデュッセイア』後半部(第三部「ノストス」=帰郷)に対応している
第三部「ノストス」=帰郷
梗概
第一部 テレマキア
第一挿話 テレマコス
第二挿話 ネストル
第三挿話 プロテウス
第二部 ユリシーズの放浪
第四挿話 カリュプソ
第五挿話 食蓮人たち
第六挿話 ハデス
第七挿話 アイオロス
第八挿話 ライストリュゴネス族
第九挿話 スキュレとカリュブディス
第十挿話 さまよう岩々
第十一挿話 セイレン
第十二挿話 キュクロプス
第十三挿話 ナウシカア
第十四挿話 太陽神の牛
第十五挿話 キルケ
第三部 ノストス
第十六挿話 エウマイオス
第十七挿話 イタケ
第十八挿話 ペネロペイア