関係モデルのデータ操作
関係モデルがあらわす表は集合であるから、集合演算の和、差、積を行なうことができる。
エドガー・F・コッドは、さらに選択、射影、結合、商の演算操作を可能にして、これらの体系を関係代数(relational algebra)と呼んだ。
関係代数は操作手順を手続き的に示すものである。
コッドはさらに、手順を気にしなくてもよい宣言的な指示方法についても提唱した。
関係代数の操作と同じ能力を持つ関係計算(relational calculus : または関係論理)である。
一階述語論理に基づく関係計算は、データベース言語 SQLの基礎となった。
コッドは、関係計算と同等以上の演算能力を持つものを関係完備と呼んだ。
以来、関係モデルを基礎とするデータベースは、関係完備であることが一般的な条件になっている。
table:データ操作
関係モデルでのデータ操作 その説明
和(union :合併) RとSのいずれかに属するものを縦方向に取り出す
差(difference) Rに属して、Sに属さないものを取り出す
共通(intersection : 積) RとSのどちらにも属するものを取り出す
選択(selection) 属性Aで条件Vを満たすものを取り出す
射影(projection) Rから特定の列を取り出す
結合(join) RとSの属性間の同じ値のものを横方向に組み合わせて取り出す
商(division : 割り算) Sの属性群Y2が、Rの属性群Y1に含まれるものを取り出す