脱工業化社会
ダニエル=ベルらによって用いられる概念で、技術進歩や経済成長によって、社会の階層分化がすすむなかで、生産および使用される理論的な知識の種類を基準 とした場合の社会発展の1形態を示すものである。
今日のように、科学技術が高度に進歩した社会においては、物的生産物が中心の社会から知識的生産物が 中心の社会へと移り、工業社会(産業社会)から脱工業社会への移行がもたらされるといわれる。
ベルによれば、社会の形態は、第一次産業を中心的経済領域と し、非熟練労働者らによって特徴づけられる前工業社会と、第二次産業を中心的経済領域とし半熟練労働者らによって特徴づけられる工業社会と、サービス業、 商業、教育、研究などが物財生産に代わって中心的経済領域となり、専門的技術者・科学者らがより優位な立場に立ち、新しい技術が台頭する情報社会・知識社会としても性格づけられる脱工業社会とに分けられる。