割れ窓理論
割れ窓理論「Broken Windows Theory」は米国の心理学者であるジョージ・ケリング(G.L.Kelling)博士が提唱。
建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると、管理人がいないと思われ、凶悪な犯罪が増えるという理論。
ニューヨーク市では地下鉄の無賃乗車や落書きを「割れ窓」に見立て、これらを徹底的に取り締まった結果、劇的に犯罪が減ったとされる。
1枚目の窓を割るのは心理的抵抗が大きいが,割れている窓が1枚あると他の窓を割る時の心理的抵抗は非常に少ない。
すなわち、目に見える軽微な犯行を減少させることで他の犯行の誘発を防ぐという考え方である。
日本でも広く信じられているが、この理論に対しての批判も多い。
批判としては、
軽微な犯罪が凶悪犯罪の増加につながったとされるが、統計的な根拠は明らかではない
原論文が理論展開を検証できるようなデータではなく具体性のないイメージに頼っている
ニューヨーク市での「成功」にしても、景気回復とそれによる失業率の改善と時期的に重なっているため、この理論に基づいた政策による成果なのかどうかは議論の余地がある。