マインドセット
マインドセットという言い方は、人の意識や心理状態は一面的なとらえ方はできず、多面的に見てセットしたものがマインドの全体像を表しているということから来ている。
企業のマインドセットは、その企業の戦略、組織構成、ビジョン、歴史、扱っている製品やサービスの特性、経営スタイル、求められているスキル、情報の流れ、コミュニケーションなどによって形成される。 組織のマインドセットの主な形成要因は、以下の3つである。
1. 製品特性、事業特性
例えば、製品ライフサイクルの短いハイテク、テレコミュニケーション業界では、スピード、特に意思決定のスピードが必要で、リスクや意見対立を恐れない組織文化が求められる。
2. 戦略、ビジョン、企業理念
例えば、ある企業が「高い技術力によって、マーケット・リーダーになる」というビジョンを掲げたとする。
技術力をつけて市場シェアを高めると「技術力なくして、我が社なし」というマインドセットが形成される。
3. 企業が経験してきた出来事
例えば、革新的な社風と素早い事業展開で知られていたある大手企業が、社会的問題を引き起こした事件をきっかけに、「必要なリスクは恐れない」というマインドセットを失う場合がある。 エドガー・H・シャインは、こうしたより深い部分であるマインドセットこそが、組織文化の本質だと述べている。
組織文化を考えるときには、組織のマインドセットを点検することが重要となる。