T型フォード
低価格、頑丈さ、使い勝手のよさ、整備の容易性などから、またたく間に好評を博し、1500万台以上が生産された。
流れ作業方式の導入により、標準的な 2ドアセダンの価格は1908年の 850ドルが、1925年には 300ドル以下になった。 このような低価格を強みとして、一時、アメリカ国内自動車販売シェアの 40%を占めるにいたった。
T型フォードには 2人乗り、5人乗り、7人乗りなどがあったが、種類を問わず全ボディに軸距 100インチ(約 2m50cm)の共通シャシを用いていた。 エンジンは簡素で効率的な 4気筒エンジンを採用、出力 20馬力で最高時速は 65~70kmに達した。
大部分のモデルは手動クランクでエンジンを始動させたが、1920年以降の一部モデルには電動式始動装置(スタータ)が装備された。 変速機は前進 2段、後進 1段で、フットペダルで操作。
点火とスロットルの調整は、ステアリングコラム脇のレバーを手で操作して行なった。
前席下に 10ガロン(約 38l)の燃料タンクが配置された。