フォードシステム
フォード自動車会社が採用した生産合理化方式。
フォードシステムは、科学的管理の原理を徹底的に自動車の生産において適用するという形で、大量生産システムの基礎を築き上げることを可能とした。
単一製品
工場で生産する車種をT型車のみに絞り、専業化することで、規模の経済の獲得を狙った。
部品の規格化・特定化
互換性部品制度の発展を技術的な基礎として、部品の規格化・特定化を推し進め、専用工作機の導入を促した。 これにより、同一精度の部品を大量に生産することが可能となり、部品コストの低下が達成された。
作業の分割・細分化
自動車の製造過程においては、多数の異なる加工・組立作業が必要となるが、フォードシステムでは、このような加工組立作業を徹底的に細分化することにより、作業を単純化した(旧アヴィニュ工場18工程→新ハイランド・パーク工場500工程)。
これにより、未熟練労働者によって作業が担われることが可能となった。
作業の標準化
フォードシステムでは、数千を超える作業のすべてを時間研究・動作研究により標準化し、無駄を排した効率的な作業を試みた。
このような作業の標準化により、作業のアンバランスが縮小され、同期化生産が可能となった。
コンベアシステムの導入
これは移動組立法とも呼ばれ、人間が仕事のある場所へと移動するのではなく、仕事そのものが人間のいる場所へと自動的に流れてくる方式である。
ここにおいては、作業速度は自分で決定するのではなく、強制的にコンベアの速度に合わせなければならなくなる。