ベストセラー・ライトノベルのしくみ――キャラクター小説の競争戦略
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Amazon一位のラノベを分析した
2011年時点
が、電子書籍版は2015年編集であり多少取り入れられている
所感
僕が持つイメージが「ごく一部の層」でしかないことが改めてわかった
今や学校ではオタクは迫害されないとか
全部メモするのだるいし意味もないので、要所要所だけテキトーに
ラノベの規模感
売り上げた文庫本の5冊に1冊はラノベ
若者の4人に1人はオタクで、この人たちは平均月1冊以上ラノベを買ってる
ヒット作は一巻あたり数万〜10万部くらい
広義のライトノベル
狭義のライトノベル
10-20代前半の若い読者
ビジネスモデル
じっくり
一般書みたいに多人数に買ってもらう買い逃げじゃない
シリーズ追っかけて全巻買ってくれるコアなファン ← この路線
カスタマーサティスファクションの徹底追求
文学としてクソだろうがカスタマーに応えているから売れてる
「努力もしないのになんでこいつ強いの?」……ケチをつけるのは……中年以上が多いように思われる。だが、売れているライトノベルはそんなことにはいっさい耳を傾けない。
スピーディー
テンプレ + キャラ掛け合いだから早くつくれる
コストもかからないし
ラノベ→マンガ→アニメ
これはコストがかからない順
一つ前で流行ったものなら次も流行るのでコストかけやすい(失敗しづらい)
収入も早く手に入る
漫画が単行本化の売り上げで元を取るのとずいぶん違う
Web小説で反応見ることもできる
下手な鉄砲ではないが、数を撃ちやすい
sta.icon毎日更新めちゃ重要みたいなこと書いてたな
業界の経済原理を知らずに足を踏み入れ、闇雲に剣を振り続ける「不適合者」の作家や編集者が、意外なほど多かった。そんなわけで、この本を書いた。
適合とは
読者のニーズに徹底的に寄り添うこと
一発屋ではなく定期的に供給して、密度の高い濃いファンとの強い関係を築いていくこと
これには情報発信、情報収集、他者とのコミュニケーションが必須
ひとりでじっくりする人には向いてない
おっくうに思うタイプである。静かに仕事をし、淡々と死んでいきたい。
sta.icon僕もそうだなぁ
だから僕も不適合者
作家として勝負も一瞬考えたことあるから、これを直感してたのでやろうとも思わなかった
やはり正しかったな
あとがきの作者の苦悩がすげえ身に沁みる
ニーズが本当にあるかどうかわからないようなものを、編集者としてつくりたかった。けれどそんな人間はいまのライトノベル市場には向いていない。
ビジネスも割とそうだよなぁ
今見るとVTuberなど配信者と同じビジネスモデルだよなーsta.icon 高頻度活動によるコアのファンの獲得
買わなければ手に入らない+安価
図書館とかに置いてない
買うしかない
でも安いので子供でも入手しやすい
用語
学校で朝HRに時間設けて読書させるやつ
作者曰く、出版業界潤う(は言い過ぎだが)レベルになったらしい
ビジネスパーソンにも導入されれば潤うんじゃね、的なコメントも
あった
余談だがどうにかして社会人向けの朝読書を定着させられれば、出版不況などなくなるだろう!
オタク世代論
table:オタク世代
世代 年代 象徴的作品 嗜好性
1 昭和30 ウルトラマン、仮面ライダー 特撮、SF
2 昭和40 ガンダム アニメ、漫画
3 昭和50 エヴァ エロゲー、声優
4 昭和60〜平成初年度 けいおん!、化物語、東方プロジェクト ニコニコ動画、ラノベ
第三世代くらいまでは設定や文脈の整合性に厳しい
第四世代
昭和のオタクならば必須だった体系的な知識、あるジャンルの作品を網羅的にフォローしようという態度は必ずしも見られない。
ネットで検索しながら断片的に知っている
ラノベのニーズ
楽しい
個人で完結する楽しさ
ネタになる
友達の会話のネタになる
気心の知れた限られた仲間とバカさわぎがしたい
sta.icon友達いないからこの観点わからんわw
著者曰くビジネス書も同じらしい
刺さる
≒シリアスで感動させる
差別化要因
上記三つを満たした上で「ここでしか読めない」という唯一性
マスに売るためには
恋愛要素は絶対に必要
スロースターターはダメ
最後まで読んでやっと感動に到達するようなスロースターターな物語は、……なかなか覆せなかった事実である。
入口は漫画的な面白さ、出口はエグい部分をつくというギャップ
ラブコメラノベとか
残念系ラブコメの文脈だが
ストーリーが大きく動くのは終盤数ページから数十ページだけなのだ。
つまり刺す
読みやすい文章
中一が理解できて楽しめるレベル
バトルものだが「主人公の説教」
小説で表現されるものである以上、本質的には、ことばとことばの戦いなのだ。
身体でも勝つし、口でも勝つ
個性や才能は必要
模倣可能なメソッドでたどり着けるのは、誰でもいけるところまでである。ほかでは読めない「差別化要因」、ほかの誰にもマネできない手法によるニーズの調達方法の開発も合わせて実行した人間だけが、時代を制する。作家の個性や才能は絶対に必要なものである。
作品
とある
バトルもののお手本
ゼロの使い魔
異世界ファンタジーのお手本
とらドラ!
ラブコメ+刺さるというブルーオーシャンに挑んだもの
残念系
当時の流行
外見と内面のギャップとパロディネタ
もう飽きられてて流行とうに終わってる
IS
本妻不在型ハーレムであることが失敗だったか
いつまでもハーレムのどたばたが続いて飽きる
でも本妻いないので刺さらない
どうする?
新しいヒロインを投入
でも既存ヒロインよりは刺さらない
尻すぼみ
鋼殻のレギオス
バトルを使って何を表現するか → 「キャラの内面と関係性」
しゃべらない敵を用意
バトルもののライトノベルで、『レギオス』ほど内省を追求した作品はないだろう。 戦闘の爽快感をアクセントに、生死の渦中に身を置きながら人生について考える ← これができる
ただ人生について考えるだけだとかったるいだけ
しゃべらない敵だと、その敵のバックボーンが要らないのでページ数を節約できる
失敗
世界の謎を解明 ← この要素が増えすぎて読者ニーズと離れた
世界観は「刺さる」には至れない
読者はバトルを通じた(主人公と周辺ヒロインの)内省に興味があった
主役級のキャラクターを通じて世界を描くことはいいが、世界そのものを描くことは望まれていない。
主人公がヘタレすぎて物語も恋愛も進まない
チームビルディング書いてない
参考
複雑さは複雑なままぶちまけず、主人公と敵対するキャラに代表させて表現する(バトルものの文脈)
読者がキャラに感情移入する前に深刻な悩みを吐露されても、しらけるだけ
まずはキャラのことを好きになってもらう必要がある
ツカミのインパクトと(隠されていた)多面性の提示
刺すのに使えるもの
恋愛
人生とは?
三層構造
要素は三つの切り口から整理できる
3や2の部分も抑えておかないとダメ
1 ライトノベル特有
2 サブカル
3 エンターテイメント一般
sta.iconこれよくわからんかった
キャラクターマトリックス
table:キャラクターマトリックス
過去 現在 未来
スペック(外見や能力)
性格(外から見える性格)
内面(内に秘めた思い)
プロットマトリックス
起:ドタバタの中、やるべきことが発生
承:事件が重なり、こじれる
転:バトル
結:そのシリーズ固有の探求