アプリケーション経済と自由なソフトウェア
「アプリケーション経済」というのを最初に考えたのはスティーブ・ジョブズだそうで(うろ覚え要検証),その最たるものがアプリ・ストアで,今では商用プラットフォームの多くがこのビジネス・モデルを採用している(LINE のスタンプなどもこの類だよね)。
アプリ・ストアはアプリ作者個人にマネタイズの機会を与えるという点で画期的だが,囲い込みの要素が大きく,「自由なソフトウェア」開発の排除要因にもなってる気がする。
自由なソフトウェアとそのマネタイズは近年大きな問題になっていて,例えば大きな脆弱性問題を出した OpenSSL は実はたった二人のメンテナがボランティアで活動していたとか,暗号ツールや暗号化の標準に大きな影響を与えていた GnuPG のメイン作者が経済支援を得られず最近まで割と困窮してたとか,いろいろ事例がある。
最近流行りの ICO はそうした問題の解決策になると言われていたが,蓋を開けてみれば山師たちの巣窟だったりして,なかなか上手く行かないものである。
広告にしろアプリ・ストアにしろ ICO にしろ,結局はプレイヤー間の情報格差(不均衡)を利用した搾取の構造であることには変わりない。そしてこの格差(不均衡)は拡大傾向にある。初期のインターネットの理想は元々はこうした格差(不均衡)を嫌ったことだったが,思えば遠くへ来たものである。まぁネットもようやく「リアル」になったということなのだろうが。