真の算術
Def: 真の算術 / True Arithmetic
真の算術$ \sf TAとは↓のことである.
$ \mathrm{Snt}_{\mathscr{L}_A}は算術の言語$ \mathscr{L}_Aにおける全ての文の集合.
$ \mathcal{N}は算術の標準モデル
$ \{ \sigma \in \mathrm{Snt}_{\mathscr{L}_A} \mid \mathcal{N} \vDash \sigma \}
Cor 1: $ \sf TAの決定不能性
$ \sf TAは明らかに,Robinson算術の無矛盾かつ完全な拡大.
Gödel-Rosserの第1不完全性定理より
Robinson算術$ \sf Qの再帰的な無矛盾な拡大理論は,完全ではない.
$ \iff完全な理論は少なくとも↓のどれか1つを満たす.
1. Robinson算術の拡大理論ではない
2. 再帰的公理化可能ではない
3. 無矛盾な理論ではない
ここから,$ \sf TAは再帰的公理化可能ではない.
理論の決定可能性は$ T(のGödel数集合)が再帰的であることと同値とするなら,$ \sf TAは決定可能ではない.
すなわち,与えられた文$ \sigmaが$ \sf TAの定理かそうでないかは判定できない.
定義より,$ \mathcal{N} \vDash \sigmaかは決定出来ない.
Cor 2: Tarskiの真理定義不可能性定理
Gödel-Rosserの第1不完全性定理 + Craigのトリックより
Robinson算術$ \sf Qの再帰的可算な無矛盾な拡大理論は,完全ではない.
ここから,$ \sf TAは再帰的可算理論でもない.
すなわち,$ \sf TAの定理はひたすら列挙することも出来ない.
これは$ \mathcal{N}についてTarskiの真理定義不可能性定理と同様のことを述べている.