Robinson算術の本質的決定不能性を用いたZF集合論の第1不完全性定理の証明
#ZF集合論の不完全性定理について
説明
Gödelの第1不完全性定理
は一般に
算術
,すなわち
Peano算術
や
Robinson算術
などについての言明であり,素朴に集合論について適用できない.
方法
1.
理論の解釈可能性
という概念を用いて
ZF集合論
$ \sf ZF
が
Robinson算術
$ \sf Q
によって解釈可能,ということを示す
すなわち
$ \sf ZF \rhd Q
ZF公理系のRobinson算術での解釈可能性
2.
ZF集合論
が
再帰的公理化可能
であるということを示す.
3.
$ \sf Q
は本質的に決定不能である.
Robinson算術の本質的決定不能性
4. 次の定理を用いる.
本質的に決定不能
な理論へ解釈可能な再帰的公理可能理論は,無矛盾なら不完全
以上の議論より,
$ \sf ZF
が無矛盾なら不完全という結論が得られる.