OSEK/VDX OS
自動車制御に特化したOSEK-OS
OSEK/VDXが策定したOS仕様(以下,OSEK-OS)は,自動車を制御対象とする,マルチタスク対応のリアルタイムOSです.自動車制御に必要な機能だけを備えるため,小型のECUや少量のメモリ資源で動作可能です.また,自動車のLAN規格として標準的に使用されているCAN(Controller Area Network)をOS仕様の前提条件にしています.このようにOSEK-OSは,疎結合のマルチプロセッサ構成をとる自動車制御に特化した仕様となっています(汎用性には劣る). OSEK-OSは,CPU時間やハードウェア資源の利用を最適化するため,構成情報(生成するタスクや優先度設定など)をコンパイル前に静的に指定する必要があります.具体的には,OSEK/VDXが策定したシステム記述言語仕様「OIL(OSEK Implementation Language)」に従ってオブジェクトの定義をファイル(OILファイル)に記述し,そのファイルを基に,システム・ジェネレータと呼ばれるツールを使ってOSが必要とする情報(テキスト・ファイル)を生成します(図5).システム・ジェネレータはOSに依存するため,OSとセットで提供されます. http://www.kumikomi.net/archives/2005/03/03osek/f05_01.gif