Palantir
事業内容
日本でいうシステムインテグレーター事業など展開中。データがバラバラに存在していたのを用途に合わせて利用ができるようにする。顧客に政府機関などが多く、初期はCIAがメインの顧客。(CIAがが最初の投資家でもある)Gothamというデータ統合/解析/判断システムを構築。ヴィンラディンの発見や、テロの未然対策や容疑者監視など様々な用途で利用されていた。主要顧客にはペンタゴン(国防総省)、CIA、FBI、NSA(米国家安全保障局)、DIA(米国防情報局)などが含まれている。現在は上場し、民間の会社からの売上と政府関連からの売上は半々ほど。
実際の中身についてはあまり情報がでおらずだが、車のナンバープレートをうつせばその車が今リアルタイムにどこを走っているかわかり、その所有者がどういう人なのか含めて犯罪履歴からわかるようだ。SNSなどの情報もリソースとして保有。またアメリカの船なども全てリアルタイムでどこにあるかがわかるようになっているらしい。
上場前までほとんどセールスパーソンがいなくて、ほとんどすべてがエンジニアだった
なんとなくBigdataという流行語があったが、その申し子てきな印象を調べていて感じた。 データを活用していき、サイロ化していたデータに本当の力をもたせるてきな 一方で、こうした分散したデータのひとつひとつを統合すると、はるかに有用なパワーを得られます。だからパランティアは、20年近い歳月と、天文学的なR&Dコストを注いできたのです。
そこでは異なる技術レベルの人たちが、機械学習やデータエンジニアリングを活用することが、できるように作ってきました。
いわゆる「ノーコード(コードを書かずに機能を作ること)」的なものを、取り入れています。 ケビン パランティアにとって、5年前と現在の違いといえば、わたしたちが数週間という短期間で提供できるバリューというのが著しく高まったことでしょう。
以前だったら、例えば銀行とのプロジェクトは年単位でした。
ある銀行とは2013年から2014年にかけて、ある特定のタイプの詐欺を食い止めるソリューションに取り組みましたが、これは本当に難しい問題でした。
米国ワシントンにある、ペンタゴン(国防総省の本拠地)。モニターで監視している遠い紛争地帯では、街はデモに参加した人であふれ、炎が上がり始めたーー。
パランティアのデモでは、軍事オペレーションに使われるソリューション「ゴッサム(Gotham)」の機能を、リアルな戦闘のような映像と一緒に紹介した。
架空のミッションは、現地のアメリカ大使館のスタッフを、安全に国外に逃がすこと。その意思決定のため、パランティアのソフトが起動する。
現場の近くに、地対空ミサイルがあるとの情報を受けて、救出作戦をその場で変更。偵察用ドローンからリアルタイムの空撮画像を転送し、ベストな脱出ルートを地図上ではじき出す。
近くのビルの屋上には、武器を持った敵がいる。その建物を3Dシミュレーターで把握して、目では見えない、出入り口が裏側にあることを突き止める。
「商品輸送に使っている船のスピードを、どのくらいで航行すると、最も二酸化炭素を減らせるのか」。
そうした実用的な問いに答えるため、原材料、生産、物流、輸送などのデータをすべて収集して、二酸化炭素に換算した上で、削減効率の良し悪しを見てゆく。
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1) 赤字上場
Palantirは創業後17年間、一度も利益を上げていない。昨年の赤字は$579.6M。これ自体はユニコーンには珍しいことではなく、多くの企業が上場後の「エクスポーネンシャル・グロース」を謳って投資家と証券会社を説得するのはよくある。しかし、Palantirのコスト構造には、他のソフトウェア企業と異なる大きな特徴がある。
Palantirには宣伝・広報のチームが存在しないため、ほぼすべて営業費と考えてよい。これは、Palantirのソフトウェアが非常に高額であるため、セールスにマンパワーを動員しなければならないことを意味している。事実、PalantirのCEOアレックス・カープは、売り上げが1億ドル(110億円)以上を見込める顧客しか相手にしないと述べている。Palantirの顧客は政府を別にすればBank of America、Walmart、ドイツ銀行、アクサなど世界的大企業ばかりである。中小企業が気軽に使えるサブスクではない。
Palantirのソフトウェアが高額な理由は、同社が販売する製品がOne-to-Manyのパッケージではなく、連邦政府のオンプレ環境でも動作する一品ものを作りこんでいるからだ。多くのSaaSベンダは、標準的ソフトウェアをカスタマイズせず導入するスケーラビリティのあるビジネスモデルを志向する。Palantirは逆だ。ペンタゴンやCIAなど機密性の高い情報を扱う政府機関には、そもそも環境がクラウドではないケースも多い。そこに泥臭くつきあっていくのがPalantirの戦略だ。
真面目な話をすると、Palantirは自覚的に、オーダーメイドの作りこみこそ至高という時代に逆行する信念を持っている。再び、S-1から引用する。
アルファ対ベータ
パッケージ化されたソフトウェアは、標準化されたニーズを満たすように設計される傾向があります。しかし、コモディティ化されたソリューションは、市場に追いついていくこと、つまりベータ版がゴールである場合にのみ、十分なものとなります。差別化された価値、つまりアルファを生み出す時には、典型的なパッケージ・ソフトウェアでは不十分であると私たちは考えています。独自のリソースを活用したり、競合他社が満たされていないニーズを発見したりしようとする企業には、単に定義されたベストプラクティスに準拠したソフトウェア以上のものが必要です。
確信犯なのである。すべてがサービス化していくこの時代において、Palantirは自覚的にその流れに抗しようとしている。
連邦政府の視点から見ても、Palantirはありがたい存在である。連邦政府は多くのエンジニアを直接雇用しているとはいえ、AIエンジニアやデータサイエンティストのような高級人材を惹きつけるのは容易ではない。そうした人々は、シリコンバレーに来れば天井知らずの報酬を得られるので、敢えて政府で時代遅れの仕事をする理由がないからだ。Palantirは、政府のペインポイントを見抜き、高級人材派遣というビジネスモデルを開発したとも言える。
しかし、すでに見たように、Palantirの強みはコンサルティングとインテグレーションという旧来のSIer的なところにあり、モダンなSaaSではない。
そのプランはすぐに実行に移された。トランプはTPPを脱退し、ティールはソフトウェア技術を駆使して不法移民の取り締まりを始めた。これが本当に米国とラストベルトの復活に寄与するのか、筆者には分からなかったが、彼らは本気だった。S-1の冒頭には、シリコンバレーと技術コミュニティに対する決別の文章が掲載されている。西海岸のテック企業はユーザの思想や行動のデータをトラッキングし、それをどう換金するかに熱中している、当社はそのような価値観に与することはない、と。―― お前らに国が救えるものか、という静かな怒りの込められた文章だ。
https://www.youtube.com/watch?v=4LQCsPbA6rU
スプレッドシートなど体調のデータを中央プラットフォームに統合することを目的している。政府と民間の売上が半々。
CIAがFBI・
JPモルガンなどが社内の不正防止につかったりしている。
昔はno-sales ピープルだった。ただ上場するにしたって、営業チームは増えていった。警察などとも繋がっていて、容疑者の監視などを行えるようになっている
シリコンバレーはソフトウェアの作り方は知っているが、Justiceの考え方はしらない
ハイグロースか、ローマージンコンサルティングかっていうのは市場が寒暖する
コストヘビーな会社であることは間違わない
Gothamは政府、Foundryは民間。めちゃくちゃ一社あたりのARPUが高い
中国と
強いAIがもつくにが、強くなる。西洋社会がそれを果たすべきだと考えている。中国との取引はない。
愛国主義の会社
米オンラインメディアのマザーボード社が入手したユーザーマニュアルから推測されるパランティア・ゴッサムの解析能力は、まるで米人気TVドラマの映画『24』の世界だ。 瞬間で個人の持つ全データを狩猟 車のナンバープレートがわかれば、その車がどこを走っていたか、現在どこにいるかかがわかり、地図上に表示される。 その仕組みは、『24』に登場するテロ対策ユニット(CTU)という架空の政府機関の機能そのものだ。 さらに運転している者の名前が分かれば、個人のメールアドレス、電話番号、現在および以前の住所、銀行口座、社会保障番号、ビジネス関係、家族関係、身長、体重、目の色などの運転免許証情報を見つけることもできる。「自動ナンバープレートリーダー(ALPR)」と呼ばれる仕組みがそれだ。 犯罪履歴は政府が一元管理するシステムと連携 さらに犯罪歴があれば、事件管理システムとデータが結びつけられ、逮捕履歴、保証人、電子メールアドレス、電話番号、取引関係、旅行記録、結婚、離婚、出産などあらゆるデータが提供される。 この仕組みは米国の州政府や連邦政府の法執行機関で共有されており、データベースの一元管理が進んでいる。 「容疑者、ターゲットを一度で検察できます」 パランティアのインターネット公式サイトには、次のような宣伝文句が謳われている。 「すべての法執行機関のデータソースを1カ所で検索してアクセスします。直感的でユーザーフレンドリーなインターフェースを備えており、エージェント、探偵、または捜査官は、利用可能なすべての情報に1カ所ですばやくアクセスできます。ユーザーは、別々のシステムにログインする代わりに、単一のポータルを介して容疑者、ターゲット、または場所を1回検索し、関連するすべてのシステムからデータを返すことができます」 中国にもある外国人の情報データベース こうした人物に関するデータベースを作っている企業は、米国に限った話ではない。 中国、深センに拠点を置く「振華データ(振華数拠信息技術有限公司、Shenzhen Zhenhua Data Information Technology Co.Limited)」もまた、その種のデータベース化を図っている国有系企業である。 軍関係者や政治家およびそれらの人に影響を与えうる人物などの交友関係までをデータベース化した「海外核心情報データベース」という外国人の情報を蓄積したデータベースをもとに、さまざまな解析情報を中国政府機関や中国人民解放軍に提供している。 情報源はなんとSNS データベースの情報源としては、ソーシャルメディア(SNS)のツイッターやリンクトイン、フェイスブック、インスタグラム、TikTok(ティックトック)などがあり、これらSNSを監視するプラットフォームが整備されている。 さらに、地方局のネット配信、ニュースサイトやニュースアグリゲーター(ネット上のさまざまな記事見出しなどを集める)、ダークウェブサイト(匿名性の高いネットワーク上に構築されたウエブサイトで検索エンジンでは見つけられない)などが情報収集に用いられている。 米艦船の位置情報はリアルタイムで表示 8割の情報は公開されている情報すなわちオープンソースから得ているが、2割の情報は諜報活動で集められているとみられている。 例えば、米国艦船の位置情報はリアルタイムで海図上に表示することができるだけでなく、当該艦船の乗組員の個人情報や好きな食べ物まで把握していると言われている。 実際、初めに大口の資金調達を行ったのは、CIAが運営する非営利型のベンチャーキャピタルIn-Q-Telからであった。アメリカ同時多発テロ以降のテロ対策においても、パランティアの技術が用いられたという噂もある。CIAとFBIで別々にデータが管理され、「サイロ化」していたものが、パランティアによって情報統合が進み、防衛リスクの高い事象を容易に捕捉できるようになったという。 まず、データ統合においては、各種データベース、インターネット上の公開情報、文書などの非構造化データから情報を抽出する。次に、文書から特定の単語を抜き出したり、個人情報を匿名化したりする前処理を行う。そして、担当者ごとにアクセスできる情報を制限するといった管理機能もある。さらに、分析を実施する際には、データ間の関連性を可視化する、非構造化データを検索する、といった機能が含まれている。
https://www.youtube.com/watch?v=KLnfne_wsd8
データインテグレーション、いろんなところのデータをとってきてい、データのバージョンを管理する?データセットから機械学習でファインディングする必要がある
多様なデータを統合していく必要がある。いつもと違う挙動するデータなどをすぐにみれるようにする
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• Foundry:データ取り込み→処理→分析をやるソフトウェア。一番の差別化はデータにバージョン化できることだろうか。最近だとGoogle SheetやExcelでも自動的にバックアップしてくれるが、それの大規模版だというイメージである。こちらのSpark Summitのプレゼンがわかりやすい。 • Gotham:モノやヒトに関するデータを取り込んでその関連性を可視化し、因果関係を見つけだすソフトウェア。「どうやってテロリストを捕まえるか」や「どうやってマネロンを見つけるか」みたいに、関連性を浮き彫りにする系の事例はこちらを使っている。ホワイトペーパーを読むだけでは詳細はよく分からなかったが、機械学習のモデリングや、そのモデルを各種デバイスに配布することで、いわゆるEdgeでの意思決定もサポートできる模様。 • Apollo:FoundryとGothamは創立当初からあるのに対し、こちらはここ数年出てきたもの。こちらの説明を読むと、独立した製品というよりは、FoundryとGothamを、顧客が望む環境で運用するためのフレームワーク。政府系・金融系といった制約ガチガチのお客さんが多い中、ソフトウェアの更新はどんどん続ける必要があるので、そのために作った社内フレームワークを製品として切り出した印象。なのでおそらくApolloだけを買う、という話ではなく、FoundryかGothamを買うとついてくるのだと思う。Apolloの最大の強みは「他の大手IT企業に先駆けて米国防衛省のIL-5 SaaS基準を満たしている」ことに集約される。つまり高い機密性を必要とするプロジェクトでは、機能の多寡はさておき、SaaSでやるならPalantir一択となってしまうわけだ。 • じゃあこのFoundryとGothamをApolloで運用して、どういう顧客価値を提供しているのか。ウェブサイトのImpact Studies(かっこつけているが要は事例集)を読むと、「散らばっているデータを集めて何か新しい気づきを得る」という共通点はあれど、利用方法は多岐に渡っていることがわかる。これがPalantirといわゆる普通のSaaS企業の最大の違いだ。普通のSaaSは問題を絞り、そこに対して汎用的なソリューションを業界またぎで提供しようとするのだが、Palantirの場合は、業界をある程度しぼった上で、お客さんの問題はとりあえずなんでも解決しようとしてきたと言える。
国防・諜報機関等の公的機関向けのGothamと、民間企業向けのFoundryの2つのソフトウェアが主製品(FY2020上期においては両製品合わせて125社の顧客が利用)Gothamでは、データ信号情報源から機密情報源の報告書まで、データセットに隠されたパターンを特定し、可視化する。例えばテロ組織同士の繋がりや不正金融取引等の検出に有効