Palantir
• Foundry:データ取り込み→処理→分析をやるソフトウェア。一番の差別化はデータにバージョン化できることだろうか。最近だとGoogle SheetやExcelでも自動的にバックアップしてくれるが、それの大規模版だというイメージである。こちらのSpark Summitのプレゼンがわかりやすい。 • Gotham:モノやヒトに関するデータを取り込んでその関連性を可視化し、因果関係を見つけだすソフトウェア。「どうやってテロリストを捕まえるか」や「どうやってマネロンを見つけるか」みたいに、関連性を浮き彫りにする系の事例はこちらを使っている。ホワイトペーパーを読むだけでは詳細はよく分からなかったが、機械学習のモデリングや、そのモデルを各種デバイスに配布することで、いわゆるEdgeでの意思決定もサポートできる模様。 • Apollo:FoundryとGothamは創立当初からあるのに対し、こちらはここ数年出てきたもの。こちらの説明を読むと、独立した製品というよりは、FoundryとGothamを、顧客が望む環境で運用するためのフレームワーク。政府系・金融系といった制約ガチガチのお客さんが多い中、ソフトウェアの更新はどんどん続ける必要があるので、そのために作った社内フレームワークを製品として切り出した印象。なのでおそらくApolloだけを買う、という話ではなく、FoundryかGothamを買うとついてくるのだと思う。Apolloの最大の強みは「他の大手IT企業に先駆けて米国防衛省のIL-5 SaaS基準を満たしている」ことに集約される。つまり高い機密性を必要とするプロジェクトでは、機能の多寡はさておき、SaaSでやるならPalantir一択となってしまうわけだ。 • じゃあこのFoundryとGothamをApolloで運用して、どういう顧客価値を提供しているのか。ウェブサイトのImpact Studies(かっこつけているが要は事例集)を読むと、「散らばっているデータを集めて何か新しい気づきを得る」という共通点はあれど、利用方法は多岐に渡っていることがわかる。これがPalantirといわゆる普通のSaaS企業の最大の違いだ。普通のSaaSは問題を絞り、そこに対して汎用的なソリューションを業界またぎで提供しようとするのだが、Palantirの場合は、業界をある程度しぼった上で、お客さんの問題はとりあえずなんでも解決しようとしてきたと言える。
国防・諜報機関等の公的機関向けのGothamと、民間企業向けのFoundryの2つのソフトウェアが主製品(FY2020上期においては両製品合わせて125社の顧客が利用)Gothamでは、データ信号情報源から機密情報源の報告書まで、データセットに隠されたパターンを特定し、可視化する。例えばテロ組織同士の繋がりや不正金融取引等の検出に有効