キーボードを組み立てるときに陥るミスと対策
はじめてキットを組む人に是非一読して欲しいもの、としてまとめていきたい htomine.icon
シチュエーションごとになっていたほうがわかりやすい気はするので、項目別の内容をそちらに転化していけるといいかも。
これだけは確認して欲しいリスト
とても多い間違い・ミスをピックアップしました。作る前によくビルドガイドを確認しましょう!
1-1. 表裏は正しいか
https://gyazo.com/9fe735ea9881ea3ff60b23bb6f8e0d4c
↑写真はHelixのビルドガイドより。キーボードによって正しい向きは異なるので要注意。 1-2. 取り付け箇所は正しいか(左右で同じとは限らない、違う場合も多い)
https://gyazo.com/347c61ac63eceab0ede1aed6612dbe0d
↑の写真はErgo42の取り付け位置(ビルドガイドより)。左右で違う。 なお、Pro Micro のミスの殆どは、コンスルー を利用して組むことでリカバーが可能(表裏は難しいが)。パーツを選定する際は考慮したい(キーボードによっては対応していないものもあるので要確認) 2. 部品の取付面は正しいか
https://gyazo.com/14d3607cdd97dfb30c411c8e7ca7b228
↑写真は crkbd(コルネ) の完成状態の基板。↑が左手表側で、↓が右手裏側(ビルドガイドより) 表側につけるべき部品、裏側につけるべき部品についてビルドガイドをよく読んで間違えないようにする。
3. スイッチプレート(穴のたくさん空いたプレート)はキースイッチと基板の「間」に入っているか
スイッチプレートはスイッチをはんだ付けした後に取り付けることは「できない」。
スイッチをはんだ付けする際は、間にスイッチプレートを挟んだ状態で行う。これも各種ビルドガイドをよく読みましょう。
4. 利用しているUSBケーブルはデータ通信対応のものか
データ通信に非対応のケーブルだと、ファームウェアの書き込みがうまく行かなかったり、キーボードとして利用できない場合がほとんどです。動作確認の際には使えるものかどうか確かめましょう。
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よくあるミスと対策
たくさんありますが、どれもよくあるものです。キットを作る前や、ビルドガイドを読む際に合わせて参照してみてください。
a. キットを購入する際
a-1. 部品をそろえる
キーボードは様々な部品から成り立っています。
本体基板
プレート/ケース/ゴム足
ねじ/スペーサー/ナット
ダイオード
promicro/マイコンと関連部品
LED
キースイッチ
キーキャップ
大抵のキットは販売ページや注意書きに「何が含まれていないか」「何が含まれているか」が書かれています。確認して不足しないように調達しましょう。
また、他の人のビルドログをあらかじめ読むことで必要はないけれどあったほうがよい部品や、あったほうがよい工具などがわかる場合があります。 キースイッチは種類が多く、かつ好みが分かれるため別途調達が必要な場合がほとんどです。何個必要かをあらかじめ確認するか、購入時に質問してください。キーボード名に数字がついている場合はほとんどがキー数です(例外: Ergo42の42被害者の会) a-2. 大変さを見極める
キーボードの組み立て作業時間は概ねキーの数に依存します。「初めて挑戦した!両手で6時間かかったよ!」なんて報告はざらで「8時間かかったけど、動かない部分がなくならなくて諦めてしまった」という人もいます。
どんな作業があるかを見るために最初はキー数が少ないキーボードを組み立てると見通しを立てることができてよいかもしれません。現在遊舎工房実店舗では4キーのmeishiが初めの1枚として用意されています。それ以外にキー数が少ないキットには8キーのnamecard2x4があります。meishiはスルーホールでスイッチを直接はんだづけ、namecard2x4は表面実装ダイオードとスイッチソケットなのでこの二つを組み立てれば大抵のキットの基本的な作業は確認できるでしょう。ダイオードとスイッチを取り付ける時間を計測しておけば、ほかのキーボードを組む時にかかる時間の大まかな目安になります。 次に出てくるのは「光らせたい」という欲求です。アンダーグローという基板の下を照らすタイプの光らせ方はキットによりますがテープLEDであれば3か所x2をはんだ付けするだけなので比較的簡単でトラブルも少ないです。
一方でバックライトという各キーを光らせる方式、特にフルカラーLEDを使う方式では大変さが跳ね上がります。注意点は先人たちが口酸っぱく書いているのでよく読んだ上で挑んでください。
はんだづけに慣れないうちは何かしらの失敗に直面するでしょう。そのときは身の回りの経験者やDiscordに助けを求めると、助けを得られるかもしれません。 スルーホール の部品にくらべ、細かいハンダ付けの操作が求められます。 慣れれば早いし楽、という人も多いデスガ htomine.icon
表面実装のLEDがたくさんあるキット
表面実装であるため前項と同様の理由がある他、高温だと壊れてしまう部品のため、温度調節機能つきのはんだごてが必要です。
たくさんのスイッチに対応した基板はパッドの間隔が狭く、少しだけ難易度が高いです。 b. ハードウェア関連
b-1. はんだづけ不良
入力しづらい(強く押す必要があるなど)キーがある
入力出来ないキーがある
対策
目視とテスタで確認する
はんだづけの途中で適宜、マルチメーターで調べるとどこが失敗しているのか探す手間が省けます b-2. 部品の向き・取り付け方を間違える
非常に多い間違い。
基板の表裏、左右(分割の場合)などによって変わる場合もあるので、各キーボードのビルドガイドを熟読すること。
とくに、画像を参考にできると間違いにくい。どうしてもわからなければDiscordで聞くのもあり。 上下を間違えている(基板から抜けやすい場合がある)
基板側をはんだ付けしてしまう(基板側ははんだ付けしない。ProMicroが壊れても取り替えが効くようになっている)
ダイオードの方向が逆
b-3. 部品をつける順番を間違える
多くの場合、大きな手戻りを要求されるため悲惨なことになる、、よく確認しよう。
これも大変よくあるミスかつ、重大なミス。
多くのアクリルプレートを使用したキットの場合、スイッチプレートは、スイッチと基板の間に挟む。
後からははめ込めないため注意が必要。
ビルドガイドや組み立て説明書、動画などを、じっくり確認してから組み立て始めましょう
誤って組み立ててしまった場合は、吸い取り器 などを使って一度全スイッチを取り外す必要があり大変です。 組み立てた後からスタビライザーを取り付けようとする
(キットにもよるが)基板に取り付けた、その上にスイッチプレートを取り付ける。
Pro Microを先につけてしまう
Pro Microの裏にスイッチが配置されている基板の場合、まずスイッチを半田した後、(必要に応じて絶縁したうえで)Pro Microを取り付ける必要がある。
b-4. 左右でうまく通信できない
TRRSジャックのはんだ付けを確認する
通信線を指定するジャンパーがある場合はそこも確認
もう一度ファームウェアを書き込みなおす
ケーブルをなるべく短いものに変更する
(それでも駄目な場合) 通信速度を下げる
b-5. その他
アクリルパーツが割れる
ネジの締めすぎに注意
アクリルの保護シートをはがし忘れる
動作には問題ない
内側に指紋が残ると拭き取れないので注意
基板の分割時にパターンが剥がれる
切断する際は無理に折らず、基板カッターやアクリルカッター、金鋸などを使用する
部品がわかりづらい(ツェナーダイオードと普通のダイオード)
作り始める前に部品表(BOM)と実際にある部品を比べてわけておく キットの場合、不足や破損は組み立てる前に連絡するとスムーズです
c. ソフトウェア
インストラクションを読んでやり直す
OS上でJIS配列・US配列の指定ができない
OSごとに違うのでググって
JIS配列とUS配列を混在させたい場合
Macの場合は深く考えずに共存できるはず
特にWindowsの場合はレジストリ操作などが要求されることがあります
レジストリいじりたくない方は、US配列に揃えてしまったほうが正直楽
ローマ字入力であれば、US配列でもきっとすぐ慣れられると思います
かな入力の方は、US配列でのかな配置を覚える必要があるので少し手間かも。。
ドライバがおかしいことがたまにあります
QMKの必要なものインストールをもう一度やってみる
avr-gccのバージョンが8だと失敗します。バージョン7を使ってもう一度やってみる
FLIP↗ などのツールで書き込みだけ別途行ってもよい ProMicroのリセットボタンを2連打してみる
ケーブルを交換する
USB ケーブルがデータ通信対応しているかちゃんと確認する(何かの機器に付属していた充電ケーブルは怪しい)
Linuxで ModemManager を使っていると、書き込みに失敗することがある
書き込みの処理の途中でModemManagerの割り込みが入って書き込みに失敗するらしい
ModemManagerは標準で有効になっていることが多い
とりあえずModemManagerを無効にする
sudo systemctl stop ModemManager
d. 組み立てた後、一部キーの動作がおかしい場合
原因のほとんどははんだ付けにあります。下記のような点を確認しましょう。
はんだ付けを忘れている箇所がないか
はんだ付けが不十分な箇所がないか
はんだ付けされているようにみえる箇所でも、十分にはんだが溶けていない、浸透していないなどの場合があります。
動作の怪しいキーについてはんだした箇所をコテで再度加熱してみたり、追加ではんだを流し込むなどで改善する場合もあります。
その列まるごとキーが効かない、などの場合、関連するPro Microの端子のはんだ不良など 基板に貼り付けるタイプのLEDテープなどの部品と、スイッチの回路がショートしていないか キーを押したときに元に戻ってこない。押した状態で止まってしまう。
スタビライザーが正しく付いているか
スタビライザーのツメがPCBに正しくはまっているか
スタビライザーの金具がしっかりと固定されているか
いずれも中途半端に浮いていると、キーを押した状態で止まってしまうことがあります
その他